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それは内なる心からアウター・リミッツ(外なる極限点)へと至る
畏怖と神秘に満ちた体験です。
……というコントロール・ボイスのアナウンスで始まる『アウター・リミッツ』は小規模の独立プロダクションである「デイスター」社が制作した60年代を代表する白黒のSFアンソロジーシリーズ(一話60分完結)。当時は今のようなCG技術があったわけではなく、番組の制作予算もかなり限られていたそうですが、その辺のハンディを、クローズアップなどの大胆なカメラアングルや、光と影のコントラストを強調したフィルム・ノワールの撮影テクニックで補い、後世に語り継がれる記念碑的なSFシリーズが誕生しました。特撮技術は現代の作品と比較すると稚拙という感を免れ得ませんが、エイリアンの特殊メイクなどは中々のものです。ヒッチコックの傑作『サイコ』で脚本を担当したジョセフ・ステファノがプロデュースを手がけ、彼自身、このシリーズのために多数の脚本を執筆しています。『アウター・リミッツ』の作風はダークでエッヂィでムーディー。制作後40年が過ぎた今でもインパクトのある作品が多いので、当時の人々にとっては、さぞかし衝撃的な番組だったのでしょう。上記のアナウンスが始まった途端、怖がって居間から逃げ出していった子供も少なくなかったようです。
 このページでは『アウター・リミッツ』シーズン1(全32エピソード)の中からタイム・トラベルに関連したエピソード4話だけを選び、ご紹介しています。


監督:レオナルド・ホーン
脚本:アンソニー・ローレンス
放送日:1963年10月28日


 ひとりで宇宙を航行していた宇宙飛行士が不思議なタイムウォープに巻き込まれる。気がついたとき、彼は荒涼とした星に到着していた。だが宇宙飛行士はひとりではなかった。醜い怪物(マーティン・ランドー)が彼の動向をひそかに観察していたのだ。突然、その怪物が宇宙飛行士に近づき、話しかける。驚いたことに、それは怪物ではなく「アンドロ」という名前の人間であった。突然変異により醜い姿と化した人間だったのだ。「ここは何という惑星ですか?」宇宙飛行士の質問に対して、アンドロからショッキングな答えが返ってくる。なんとそこは2148年の地球だったのだ。
 なぜ地球はこれほど落ちぶれたのか?その責任はバートランド・カボット・ジュニアという科学者にあった。カボットが発明した細菌が人類を突然変異させ、子供を生めない体にしてしまったのだ。それ以来、ほとんどの人々はこの不毛の荒地で死に絶えたという。
 そこで宇宙飛行士はアンドロと共に時間を逆行し、過去を変えることによって、この恐ろしい未来を回避することを提案する。かくしてふたりは時間をさかのぼる旅に出発するが、その過程で宇宙飛行士は命を落とし、アンドロだけが過去の地球に到着する。彼は人々に催眠暗示をかけることによって自分の醜い姿に気づかれないように図る。人々の目に映る彼はごく普通の男性なのだった。
 アンドロは過去の地球でノエル・アンダーソン(シャーリー・ナイト)という名の若い女性に出会い、恋に落ちる。だが皮肉なことに、この女性はバートラム・カボットという男性の婚約者だった。彼女は細菌の発明者であるバートランド・カボット・ジュニアの母親になる運命にあったのだ!アンドロはふたりの結婚を食い止め、人類の破滅を防ぐことができるか?


 壮大なスケールで展開するタイムトラベルの物語で、ファンの間で人気が高いエピソードです。60年代のテレビシリーズ『スパイ大作戦』でおなじみのマーティン・ランドーがミュータントの役を好演しています。彼は1994年の映画『エド・ウッド』でアカデミー助演男優賞に輝きました。→
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監督:レスリー・スティーブンス
脚本:レスリー・スティーブンス
放送日:1964年1月13日


 火星人調査官のフォボス・ワン(バリー・モース)が地球にやってくる。彼の使命は人間の行動を解読することにあった。なぜなら人間は知的生物の中で唯一お互いに殺しあう残忍な習性を持っているからだ。もしこの殺人衝動が伝染病だったらどうする?しかも人類は核開発を始めた。地球で人類同士が殺しあう分には構わないが、地球で核戦争が始まろうものなら、火星が危険にさらされる。したがって今回の実験で人類が危険な生物と判断された場合、火星人たちは地球を破壊するつもりでいたのだ。フォボス・ワンの助手を務めるのはデイモス(キャロル・オコナー)。デイモスは地球という辺境の星に赴任している火星人で、質屋の主人に成りすまし、地球人の動向を観察していたのだった。フォボス・ワンとデイモスは連れ立って近くの三流ホテルにおもむき、ここで管理実験を開始する。このホテルのロビーで、浮気性のボーイフレンドに業を煮やした女性が彼を銃殺することが判明したからである。ふたりは「ミニチュア版時間圧縮機」で殺人の場面を巻き戻したり、早送りにしたり、ストップさせたり、スローモーションにしたりして、不可解な人間の行動パターンを徹底的に検証する。果たして地球の命運やいかに?


 シリアスな作品がほとんどを占める『アウター・リミッツ』の中で、これは唯一コメディ・タッチの軽いエピソードです。火星人ふたりのすっとぼけたやりとりがおかしい。殺人の場面をDVDやビデオテープの要領で自由自在にコントロールするという発想が斬新!これは爆笑ものです。単に面白いだけでなく、殺し合いや戦争をやめない人間をピリリと風刺しています。個人的にお気に入りのエピソードです。→このDVD(日本語版)をアマゾンで買う。


監督:レスリー・スティーブンス
脚本:レスリー・スティーブンス
放送日:1964年4月20日


 原子力発電所の主任マーシャル博士(ジョージ・マクレディ)は地球に存在しない未知粒子の研究にいそしんでいた。だがこの研究によって時空連続体に亀裂が生じ、異次元から青い光の奇妙な生物が浸入してきた。この生物は原子炉内で働く作業員の体を分解消滅させ、作業員が着ていた放射能防止服の中に宿って謎の作業を開始した。彼らの目的は時空連続体の亀裂を拡大することにあるようだ。このままでは原子力発電者は大爆発し、人類は放射能によって滅びてしまう。未曾有の恐怖を解き放ってしまったマーシャル博士は妻とふたりきりで危機を回避しなければならない。


 これもスケールの大きな本格的SF作品で、ファンの間で人気が高い作品です。博士が絶体絶命の危機をどのように回避するかが見もの。日本語のタイトルは「大爆発」ですが、英語のタイトルをそのまま訳すと「未知粒子の生産と腐敗」となります。こっちのほうがかっこいいかも?→このDVD(日本語版)をアマゾンで買う。


監督:ガード・オズワルド
脚本:ジョセフ・ステファノ
放送日:1964年5月4日


 アンドレ(スコット・マーロー)はふたりのガールフレンド、カシア(ヴェラ・マイルズ)とレオノラ(バーバラ・ラッシュ)を操り、辱めることに喜びを見出す残忍な男だった。ボーイフレンドのサディスティックなふるまいに耐えかねたふたりは彼の毒殺を決行する。ところが、殺したと思い込んでいたアンドレの死体が車のトランクから消失、レオノラはパニックにおちいり、行くあてもないのに夜の嵐の中へと逃げ出していく。彼女の後を追うカシア。ふたりは森の中に建つ一軒屋に駆け込む。その家にはトーン(デイヴィッド・マッカラム)という名の奇妙な若い科学者と、彼の盲目の召使(セドウィック・ハードウィック)が住んでいた。トーンは「時間を傾ける」機械の発明者だった。この機械が過去を現代にスリップさせ、アンドレを生き返らせたのだ……。


 ヴェラ・マイルズやバーバラ・ラッシュなど一流の俳優陣を起用した、シュールな味わいのSFホラーです。光と影のコントラストを強調した照明と、雰囲気たっぷりのカメラアングル、そしてドミニク・フロンティアの音楽がムードを盛り上げます。このエピソードは元々『アウター・リミッツ』のスピンオフ・シリーズのパイロット・エピソードとして制作されたものの、結局スピンオフ・シリーズの実現はならず、『アウター・リミッツ』シーズン1の最終エピソードになりました。日本語のタイトルは「死体蘇生器」ですが、英語のタイトルをそのまま訳すと「知られざるものの形」となります。→このDVD(日本語版)をアマゾンで買う。

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 『アウター・リミッツ』シーズン1の日本語版DVDは発売されています。エピソードの数が多いので、二巻に分けられています。
 →アウターリミッツ 完全版 1st SEASON DVD-BOX 1
 →アウターリミッツ 完全版 1st SEASON DVD-BOX 2