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■アウター・リミッツ シーズン2


■シーズン2の概要

『アウター・リミッツ』シーズン1はアメリカで高視聴率を記録しましたが、シーズン2ではABCネットワークが予算を削減、内容にも口を出し始めたので、シーズン1でプロデューサーを務めたジョセフ・ステファノ(ヒッチコックの『サイコ』の脚本家)が降板、連続ドラマ『ペリー・メイソン』のプロデューサーであるベン・ブレイディが彼の後を継ぎました。シーズン1で採用された大胆なカメラアングルや劇的な照明のテクニックは廃止され、オーソドックスな撮影手法が使われました。このように製作スタッフの足並みの乱れが災いしたのか、シーズン2は視聴率が伸び悩み、ABCはシーズン半ばにしてこの番組をキャンセルするという残念な事態になってしまいました。結局、17作品が作られただけに終わりました。

このページでは『アウター・リミッツ』シーズン2の中から時間SFに関連したエピソード3話だけを選び、ご紹介しています。

 
 

■38世紀から来た兵士

監督:ガード・オズワルド
脚本:ハーラン・エリソン
放送日:1964年9月19日


38世紀の荒れ果てた土地で二人の兵士が終わりなき戦いを繰り広げていた。戦闘要員として育てられ、教育を受けた二人の男にとって、人生は戦争がすべてだった。しかし、二人が発射したレーザー光線が交差したことから、時空間が曲がり、二人の兵士はタイムワープする。

一人は次元と次元の境に捕らえられるが、もう一人の兵士カルロ(マイケル・アンサラ)は20世紀のアメリカに到着する。彼は当局によって捕らえられるが、言葉が通じない。そこで彼の言葉を解読するため、言語学者トム・ケイガン(ロイド・ノーラン)が任命される。徐々に心を通い合わせていく二人。ケイガンはカルロの心を開くため、当局を説得して、彼を我が家で寝泊りさせることにする。そこでは優しい妻と娘がカルロを出迎えた。温かな家庭の雰囲気に触れたカルロは、人生が憎悪と殺人だけではないことを悟り始める。ところが、次元と次元の間に捕らえられていた兵士が脱出し、カルロを亡き者にすべく、ケイガンの家に迫っていた!


これは著名なSF作家、ハーラン・エリソンの作品で、1964年のヒューゴ賞に輝きました! しかも、これは訴訟問題で有名になった、いわくつきの作品です。ジェームス・キャメロンはこの作品と下記の『ガラスの手を持つ男』からヒントを得て、映画『ターミネーター』を構想したといわれています。作者のハーラン・エリソンはキャメロンを相手取って訴訟を起こしました。当初、キャメロンはこの訴えを否定しましたが、法廷外調停の結果、原告の訴えが認められ、キャメロンは『ターミネーター』の関係者リストにエリソンの名前を加えることを余儀なくされました。また、シーズン1の『生まれて来なかった男』も『ターミネーター』に影響を与えているような気がします。さらには、1966年の映画『サイボーグ2087』という作品が『ターミネーター』のプロットに酷似しています。

 
 

 
 

■ガラスの手を持つ男

監督:バイロン・ハスキン
脚本:ハーラン・エリソン
放送日:1964年10月17日


「俺は10日前に生まれた。大の男が……10日前に生まれたんだ。俺は町の通りで目覚めた。自分が誰だかわからない。今までどこにいて、これからどこに行くかもわからない。誰かが俺の記憶を抹消したのだ。そいつらが俺を探し出し、殺そうとしている。なぜ?お前たちは何者なんだ?俺は走る。最初、奴らに襲われたときは何とか逃げおおせた。手が……俺の手が……どうすればいいのか教えてくれたんだ……。」

男の名前はトレント(ロバート・カルプ)。そしてカイベンという名のエイリアンの種族が彼を殺そうとしている。男が知っているのはその二つだけ。トレントの右手はガラス製で、二本の指しかついていない。ガラスの手は一種の知性体で、たくさんの質問に答えることができる。でも、ガラスの手が知らないことが二つある。ひとつはトレントの正体。もうひとつは、なぜ敵が彼を探しているのかということだ。答えを知るためには残りの三本の指を探し出さなければならない。


これも上記の『38世紀から来た兵士』と同じく、ハーラン・エリソンの作品です。上記がヒューゴ賞を受賞したのなら、こちらは「アメリカ作家ギルド賞」に輝きました!この作品ではタイムトラベルの他に、エイリアンの侵略、ロボットといったテーマが取り上げられています。複雑に練られたストーリーを『アウター・リミッツ』特有のダークで緊迫した雰囲気が彩り、時代を先取りする出色のエピソードに仕上がりました。ここまでストーリーが磨かれたSFドラマは、それまでのテレビ番組では見られませんでした。ただ、目の周りを黒く塗ったエイリアンのメークはアナグマのようで笑えます!最新の撮影技術でリメイクしたら、スタイリッシュな作品になることでしょう。

 
 

 
 

■10秒間の未来

監督:ガード・オズワルド
原案:イブ・メルキオール
脚本:サミュエル・ローカ
放送日:1965年1月9日


 テストパイロットのジム・ダーシー(デューイー・マーティン)は試験飛行中、サウンドバリアを越え、地上に衝突する。一方、彼を出迎えるため自家用車を運転していたジムの妻、リンダ(メリー・マーフィー)も夫の事故に気をとられ、同じ時刻に衝突事故を起こす。幸い二人とも怪我を免れるが、あたりの様子がおかしい。人も動物も凍りつき、身動きひとつしないのだ。二人は10秒後の未来にタイムスリップし、時間がゆっくりと経過する「時の裂け目」に放り出されてしまったのだった。10秒後、飛行機が衝突する時間になったら、二人は元の時間とシンクロし、すべては正常に動き出す。それまでの間、二人は現在と未来の間にある時の空白に存在するしかない。そこで時間は一秒につき一時間の割合で進んでいくのだった。

 二人は幼い娘、ジェニー(エマ・タイソン)の安否を気遣い、彼女を探しにいく。娘はとんでもない状況にあった。三輪車に乗った彼女は、疾走するトラックの前に飛び出ようとしていたのだ!何らかの処置を講じない限り、時間が正常に動き出したとき、娘はトラックにはねられてしまう。だが、時間がゆっくりと経過する世界では、ありとあらゆるモノがビクともせず、動かせない。しかも二人は飛行機が衝突する時間までに元の場所に戻らなければならない。さもないと二人は元の世界に戻ることができず、永遠に時の囚人になってしまうのだ。どのようにして娘の命を救ったらいいのか?


この物語の原作者、イブ・メルキオールは映画『ザ・タイムトラベラー(1964)』の監督です。彼はタイムトラベルのテーマが好きだったようですね。この作品は時間SFの傑作で、文句なしに面白い! お勧めです。「時間が一秒につき一時間の割合で進む世界」については、様々な撮影技法を駆使して表現されています。一つの方法は俳優にポーズをとらせ、身動きさせないこと。それが最も簡単な方法なのでしょうが、演じる俳優さんとしては、さぞかし大変だったでしょう。まばたきひとつできないのですから!

 
 

■『アウター・リミッツ』が映画化(2010年8月23日)

60年代のテレビシリーズ『アウター・リミッツ』をMGMが映画化することが決まりました。

現在MGMは経営難におちいっており、140の債権者に対して負債があります。7月中旬には6度目の負債返済延長許可を受けました。

同社は『アウター・リミッツ』を映画化するために、脚本家のパトリック・メルトンとマーカス・ダントンを雇いました。両氏はホラー映画『ソウ』7部作のうち、4本の脚本を執筆した人々です。

60年代のSFシリーズ『トワイライト・ゾーン』が1983年に映画化されたときは、往年のエピソードの中から3本が選ばれ、リメイクされました。これらの3本のエピソードに、新たに創作された物語が1本加えられ、オムニバス映画として公開されました。

『アウター・リミッツ』も同じアンソロジー形式を採用するかどうかは不明です。『アウター・リミッツ』のエピソード、『ガラスの手を持つ男』は現代の観客にも十分に通用するタイムトラベル物の傑作なので、これを最新鋭の撮影技術を駆使して1本の長編映画として製作したら、面白い作品になると思います。

出典:ヴァラエティ

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