世界で最も長期にわたりテレビ放映されているSFシリーズとして有名。世界中に多数の熱狂的なファンを抱える。NHKのBS2で放送中!
●英国女王陛下もファン!タイムロードのドクターが宇宙の危機を救う!
1963年から1989年までの長きにわたり、イギリスのBBCで放映された、カルト的な人気を誇るSFドラマです。主役のドクターは一見したところ人間と変わりないものの、実は惑星「ギャリフレイ」出身で、心臓をふたつ持つ400歳の異星人。このドクターがターディス(左の写真参照)と名づけられたタイムマシンで時空を駆け巡り、エイリアンの脅威から地球を守るという壮大なスケールのお話です。このターディス、突如として街中に出現しますので、一般市民の目をごまかすため、外見は公衆電話ボックス(警察のみに通じる公衆電話で、60年代、イギリスの通りに設置されていたようです。今はありません)に似せて作ってあります。でも、一歩中に足を踏み入れると、そこには広大な船内が広がっているというわけ。「ドクターフー」というのは「フー博士」という名前ではありません。「ドクター……何?」、つまり「ドクターって称号はわかったけど、名前はなんなの?」といった意味です。そう、彼は単に「ドクター」として知られており、名前は不明なのです。彼は瀕死の危機にさらされると、体を再生して生まれ変わるという特徴があります。このSFドラマが世界でもっとも長期にわたり放映されている秘密がここにあります。ドクター役の俳優が年老いたら、別の俳優にバトンタッチすればいいのですから!
●2005年によみがえり、大絶賛された「新ドクター・フー」
この『ドクター・フー』、1989年をもっていちおう終了したのですが、16年の歳月を経た後、みごとによみがえりました!9代目のドクターとして抜擢されたのは
クリストファー・エクルストン(映画『
アザーズ
』で二コール・キッドマンの夫を演じた人)。鳴り物入りで始まった新シリーズ、英国での初回の視聴者数は1,000万人に上ったそうです。エクルストン氏はドクター役として高い評価を得たにもかかわらず、タイプキャスト(役のイメージが定着し、同じような役しか来なくなること)されるのがイヤという理由により、なんと1シーズンでドクター役を降板してしまいました。その結果、10代目のドクターとして、デイビッド・テナント(写真右上)が抜擢されたのです。彼の右側にいる女性は、シリーズ4のドクターのアシスタント、ドナ・ノーブル役の
キャサリン・テイトです。
●ウィットに富んだ会話と手に汗握るサスペンス!
このシリーズ、世界66カ国で放映され、世界中に熱狂的なファンを抱える人気番組。ですから、新シリーズを製作するにあたり、BBCにかかったプレッシャーは並大抵のものではありませんでした。BBCにとって、この番組を放送することは大きなリスクだったのです。質の悪い番組を作ろうものなら、ファンは決して許してくれなかったでしょうから。ところが、制作スタッフはみごとファンの期待にこたえてのけました。というか、ファンの期待をみごとに凌駕したとさえいえます!この番組のプロデューサーであり、脚本家でもあるラッセル・T・デイビスは、現在イギリスでトップクラスの脚本家。ユーモアたっぷりで気の利いたセリフがポンポン飛び出てきます。それでいて、スリルとサスペンスに富んでおり、物語の展開が速く、毎回ハラハラドキドキせずにはいられません。笑いと恐怖の絶妙のブレンド!さらに特撮技術がすばらしく、凝りまくりの映像に目を見張らされます。どのエピソードも映画並みのクオリティ!なお、写真はドクターの宿敵、ダレックというロボットです。イギリスの『デイリー・ミラー』紙によると、英国女王陛下も『ドクター・フー』のファンとか。特に、このダレックがお気に入りだそうです。
●数々の賞に輝きました!
『ドクター・フー』が2006年の BAFTA 賞で三つの賞に輝きました。BAFTA 賞とはイギリスにおけるテレビと映画のアカデミー賞のようなもの。「ベストドラマシリーズ」、「2005年の最優秀テレビドラマ」、そしてラッセル・デイビスがテレビ部門で「最優秀脚本賞」を受賞したのです。
更にシリーズ1のエピソード『空っぽの子供』と『ドクターが踊る』が2006年ヒューゴ賞の短編ドラマ賞を受賞しました。ヒューゴ賞とは「世界空想科学小説協会」が毎年、SFの部門で優秀な作品を制作した人々に与える賞であり、SF界で最も栄誉ある賞とされています。