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時間旅行TV&映画ゾーンフリンジ→シーズン3第10回レビュー


■フリンジ:シーズン3第10回『ファイアーフライ(ホタル)』

■すべては一匹のホタルから始まった! 

このレビューにはマイナーなネタバレが含まれていますので、ご了承ください。

このエピソードは映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のドク役でおなじみのクリストファー・ロイドがゲスト出演することで、放送前から大きな期待を集めていた。彼が演じたのは、70年代のバンド「バイオレット・セダン・チェア」のキーボード奏者だったロスコウ・ジョイス。『バック・トゥ……』と同様、クレージーでハジけたキャラクターを予想していたのだが、その予想は見事に裏切られた。ロスコウは、彼のキャリアが最盛期に達していたころ、大きな悲劇に見舞われ、傷心のあまり人生を捨てた初老の男性という設定。ロイドはシリアスで抑え気味の演技に終始、映画『バック・トゥ……』の明るさは微塵(みじん)も感じられなかった。まったく新しいロイドの側面を見た思いである。だが、哀感が漂う中にも、チャーミングな一面も垣間見せ、その奥深い演技力に魅了された。

しかし、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』との接点がひとつあった。それは、このエピソードがタイムパラドックスをテーマにしていたことである。これはもちろん、クリストファー・ロイドを意識してのことだろう。些細なできごとが連鎖反応を起こし、大事件につながるという「バタフライ・エフェクト」をテーマに、哀しさと、アイロニー(皮肉)と、サスペンスに満ちた物語が展開した。特に、終盤にかけて、非常に緊張感あふれる展開となり、手に汗を握らされた。

このエピソードでは、オブザーバー(監視者)にもスポットライトが当てられた。監視者は、『フリンジ』のエピソードに毎回さりげなく登場することで話題になっているが、今回は主役級の扱い。彼らは時空間を自由に行き来できる謎の集団だが、その名のとおり、歴史の流れを監視するだけで、干渉することはほとんどない。だが、25年前に、氷の張った湖に落ちたウォルターとピーターを、監視者が救ったことがきっかけとなり、ウォルターとロスコウが目に見えぬ糸でつながってしまう。ふたりの奇なる縁が今回のエピソードの中心軸になっている。複雑なプロットが緻密かつダイナミックに組み立てられ、アクションシーンもスリリングで、見ごたえは十分だった。