
時は2006年。イギリスのマンチェスター市の警察に勤めるサム・タイラー(ジョン・シム)は仕事熱心な若い刑事で、連続殺人事件の捜査をしている。ところが、その事件の犯人が復讐のためサムのガールフレンドを誘拐した。サムはガールフレンドを救い出すため必死の捜査を始めるが、その最中、車にはねられる。
気がついたとき彼はパンタロンのズボンをはいて路上に倒れていた。なんと彼は1973年にタイムスリップしてしまったのだ! なぜか警官としての身分はそのままだったので、サムの警察勤めが始まる。だが当時は捜査技術が未熟だったので戸惑うことばかり。果たして彼は本当にタイムスリップしたのか? 病院のベッドで昏睡状態となり、夢を見ているのか? それとも精神に異常をきたしたのか? それとも……?

■有名サイトの評価 (2010年7月30日現在)
インターネット映画データベース: 9.0 / 10
TV.com: 8.8 / 10
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BBC(イギリス国営放送)で放映され、高い評価を得たドラマシリーズです。国際エミー賞のベストドラマ賞を二度受賞!「ライフ・オン・マーズ(火星での人生)」とはデイヴィッド・ボウイの同名の歌からとったもの。サムにとって70年代のイギリスが自分の国ながら別の惑星のように異質な場所なので、この題がつけられました。
70年代のイギリスの警察では、犯人に罪を告白させるために暴力を振るうなど、疑わしい捜査方法がまかり通っていたようです。公正で科学的な捜査を旨とする21世紀の刑事、サムは、そんな捜査方法に反対し、事あるごとに同僚たちとの間で軋轢(あつれき)を起こし、孤立しますが、刑事としての業績を挙げるに連れ、次第に彼らの尊敬を集めていきます。
このドラマは、自分の時代に戻るべく奮闘するサムの姿を一貫して描きつつ、犯罪事件の解決に臨む警察官たちの活躍ぶりを一話完結形式で描いています。これらの事件は一筋縄ではいかないものが多く、意外な展開が起こることがしばしば。そのため、犯罪ミステリーとしての面白さもあります。ただ、当時の地方都市の労働者階級の状況をリアルに描いているので、華やかさに欠けるきらいはあるかも。よく言えばシブくて気骨がある。悪く言えば地味で泥臭い。でも、ファンはこの現実味のある作風が気に入っているようです。
主役のジョン・シムは、このドラマの成功で一躍スターダムにのし上がりましたが、彼と同じくらい……というか、彼以上に人気を博したのが、サムの上司、ジーン・ハント警部を演じたフィリップ・グレニスターです。ジーン・ハントは心根は優しいものの、外面はタフで荒っぽい男。差別用語を頻繁に口にします。今の時代では差別用語を使うことが神経質なほどタブー視されているので、そんな風潮に反するジーン・ハントの態度は、現代人の蒸気を抜き、ウケたのかもしれません。それと、彼は冷めたユーモア感覚の持ち主で、機知に富んだ一言ギャグをよく飛ばすので、その辺も人気の理由になっているようです。彼のファンを自認するイギリス女性は少なくありません。
ドラマの結末については、まだご覧になっていない方々のために言及することを避けますが、かなりドラマチックな形で幕を閉じるとだけ申し上げておきましょう。サムの運命については疑問の残る終わり方になっているので、一部の視聴者は混乱し、理解できなかった人もいるようです。このドラマの続編である『アッシズ・トゥ・アッシズ』では、2010年に放映される最終シリーズで、サムの運命が遂に明らかにされるとのことなので、期待しています。
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