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●シーズン6の概要
 シーズン6では『ドクター・フー』の今後の展開を暗示する重要な動きが起こりました。まず、シリーズに新風を吹き込むため、ユニット(国連情報部機動部隊)が導入されることになりました。これは地球を脅かすエイリアンに対抗する目的で作られた軍隊組織のことです。また、シリーズ6の最後の物語『ウォー・ゲームズ』で、それまで謎のままだったドクターの過去が明らかにされることになりました。ドクターは故郷の星(当時はまだ名づけられていなかった)に帰ることを余儀なくされます。そこでタイムロードとしてのドクターの本質や、なぜ彼が故郷を捨てて時空を旅するようになったかが明らかにされたのです。そして、このシーズンをもって二代目ドクターの時代が終わります。


44.ドミネーターズ

脚本:ノーマン・アシュビー
監督:モリス・バリー


第一話:1968年08月10日
第二話:1968年08月17日
第三話:1968年08月24日
第四話:1968年08月31日
第五話:1968年09月07日

好戦的なドミネーターにドクターが立ち向かう!


 ドクター、ジェイミーとゾーイは平和な惑星、ダルキスに到着する。この星の住民は平和主義者で、戦争を拒否していた。ところがそこに好戦的な種族、ドミネーターが到着した。彼らはロボットのクォークを従えていた。ドミネーターはダルキス星の中心核で爆弾を爆発させ、惑星を放射能の玉にしようとしていた。その放射能を宇宙船の燃料として使うためである。ドクターたちは横暴なドミネーターを倒し、ダルキス星の人々を救うことができるか?


 ダルキス星の住民は平和主義者というより「腑抜け」という感じで、征服者によっていとも簡単に奴隷化されてしまいます。これは当時流行っていたヒッピー族を批判する目的があったそうです。
 ロボットのクォーク(右上の写真参照)については、ダレックと同じような人気者になることを期待して作られたものの、人気が出ないまま終わってしまいました。このロボット、なりが小さく、子供のようなかわいい声でありながら、情け容赦なく手から射撃します。そのあたりのイメージのギャップがウリだったようです。1964年にクォーク(素粒子の構成要素となっている粒子)の学説が立てられ、話題になったことから、この名前がつけられたそうです。


 この作品はDVDが発売されていません。


45.マインド・ロバー

脚本:ピーター・リン、デリック・シャーウィン
監督:デイヴィッド・マホーニー


第一話:1968年09月14日
第二話:1968年09月21日
第三話:1968年09月28日
第四話:1968年10月05日
第五話:1968年10月12日

想念が現実化する世界で必死の知恵比べ!


 前回の物語の終わりで、ダルキス星の火山が爆発し、ターディスが溶岩の中に捕らわれてしまったので、ドクターは仕方なく非常装置を起動する。その結果、ターディスは通常の時空間から逸脱し、奇妙な世界に行ってしまう。そこは想像が現実化する世界で、ガリバー、蛇の髪の毛を持つメドゥーサ、ユニコーン、シラノ・ド・ベルジュラック、海賊の黒ひげといった架空のキャラクターたちがさまよっていた。謎に満ちた支配者はドクターたちを永遠にこの世界に閉じ込めようとしていた。ドクターは支配者と知恵比べをして、この不可思議な世界から脱出しなければならない!


 これはシーズン3の『
宇宙のおもちゃ職人』と同系列の作品です。両方とも「想念が現実化する奇妙きてれつな世界」が舞台になっています。60年代特有のシュールでサイケデリックな雰囲気に満ちたこの作品は『ドクター・フー』の物語群の中で特異な位置を占めており、傑作として高く評価されています。


 この作品は英語版のDVDが発売されています。→アマゾンでこのDVDを買う。


46.インベージョン

脚本:デリック・シャーウィン、キット・ペドラー
監督:ダグラス・カムフィールド


第一話:1968年11月02日
第二話:1968年11月09日
第三話:1968年11月16日
第四話:1968年11月23日
第五話:1968年11月30日
第六話:1968年12月07日
第七話:1968年12月14日
第八話:1968年12月21日


サイバーマン軍団が地球に侵攻!


 ターディスは20世紀末期のロンドンに到着する。このころ、大企業の経営者であるトバイアス・ヴォーン(ケヴィン・ストーニー)がひそかに邪悪な計画を進めていた。世界をサイバーマンに明け渡し、共同で世界を支配しようとしていたのだ。ドクター、ジェイミーとゾーイは、国連情報部機動部隊(略称ユニット)のレスブリッジ・スチュワート准将と協力して、この企みを阻止することを決意する。だがサイバーマンはすでに地球に到着していた!


 本シーズンの目玉ともいうべきアクション大作の登場です。ジェイミーがヘリコプターから垂れ下げられた縄梯子に乗って、追っ手から逃れるといった本格的なアクションシーンもあります。この場面、スタントマンを使わず、ジェイミー役のフレイザー・ハインズ自身がこなしたというからスゴイ!悪役ヴォーンを演じたケヴィン・ストーニー(右の写真の右の人)はシーズン3の『ダレックスのマスタープラン』でも悪役マヴェック・チェンを演じました。チェンは東洋人風のメイクがほどこされていたので、パッと見ただけでは同一人物とはわからないほど外見が違います。なお、サイバーマンの物語はひとまずこれで終了しました。次に登場するのは1975年になります。


 この作品は過失により第一話と四話が消去されてしまいましたが、「コスグローブ・ホール」というイギリスのアニメ会社が失われたエピソードをモノクロのフラッシュアニメーションで見事に再現、完全な作品としてDVDが発売されています。このアニメーションは見た人が一様に絶賛するほど、すばらしい出来です。→アマゾンでこのDVDを買う。


●ジョン・ベントン
 ジョン・ベントンはユニット(国連情報部機動部隊)の伍長。その後、軍曹に昇格しました。レスブリッジ・スチュワート准将の部下に当たります。彼は実直で、友好的で、頼りがいのある男です。通常は上官の命令に服従しますが、その命令が間違っていると判断したときは、友達を守るために、命令にそむくことを辞しませんでした。
 ベントンを演じたのはジョン・レヴィン。彼は1968年11月の『インベージョン』から、1975年12月の『アンドロイドの侵入』まで定期的に出演しました。

47.クロトンズ

脚本:ロバート・ホームズ
監督:デイヴィッド・マローニー


第一話:1968年12月28日
第二話:1969年01月04日
第三話:1969年01月11日
第四話:1969年01月18日

精神エネルギーを吸い取るエイリアンを倒せ!


 ターディスはゴンド族が住む惑星に到着する。この星では毎年、二人の優秀な若者が「神」の従者として捧げられていた。選ばれた若者たちは「神」が住む機械の中に姿を消し、二度と戻ってこなかった。ドクター、ジェイミーとゾーイはこの「神」が実は結晶状のエイリアンであることを突き止める。このエイリアンは「クロトンズ」という名前で、若者たちの精神エネルギーを吸い取って命を保っていたのだ。ドクターたちはゴンド族をこの奴隷制から解放することを決意する。だがクロトンズは次なる犠牲者として、知能指数の高いドクターとゾーイを指名してきた!


 これは脚本家、ロバート・ホームズのデビュー作となります。この後、彼は『ドクター・フー』のために多数の優秀な脚本を執筆し、多大な貢献をすることになります。


 この作品はDVDが発売されていません。


48.死の種

脚本:ブライアン・ヘイルズ
監督:マイケル・ファーガソン


第一話:1969年01月25日
第二話:1969年02月01日
第三話:1969年02月08日
第四話:1969年02月15日
第五話:1969年02月22日
第六話:1969年03月01日

「氷の戦士」の地球冷却化計画を阻止せよ!


 ターディスは21世紀のイギリスに到着する。このころ、地球の交通機関はすべてTマットに統一されていた。Tマットとは人や物質をテレポートする装置である。この装置は月に建てられた基地で操作されていた。ところが、そこに火星からやってきた非情なエイリアン「氷の戦士」が現れ、基地を乗っ取ってしまう。氷の戦士は特別な種子を世界中にテレポートし、地球に氷河期をもたらして、地球を「新しい火星」にしようとしていたのだ。テレポート装置が使用不能になったので、ドクター、ジェイミーとゾーイは旧式の交通機関……ロケットに乗って月に向かう。三人は氷の戦士の野望を防ぐことができるか?


 シーズン5の『氷の戦士』で初お目見えしたエイリアンが再び登場!二代目ドクターの物語は「エイリアンに乗っ取られた基地」に関するものが多いですが、これもその一つ。ただこちらは、ロケットに乗って月に行ったり、Tマットで世界中にテレポートしたりする、スケールの大きなSFです。始終緊張感が途切れることなく、娯楽性は抜群!右上の写真は月に向かうロケットの中で重力に耐えるドクターたちです。


 この作品は英語のDVDが発売されています。→アマゾンでこのDVDを買う。


49.スペース・パイレーツ

脚本:ロバート・ホームズ
監督:マイケル・ハート


第一話:1969年03月08日
第二話:1969年03月15日
第三話:1969年03月22日
第四話:1969年03月29日
第五話:1969年04月05日
第六話:1969年04月12日

スケールの大きな宇宙活劇!


 ターディスは遠い未来のスペース・ビーコンの内部に到着する。このころ、ビーコンが盗まれる事件が頻発していた。これは残酷な宇宙の盗賊、キャヴェンの仕業だった。ビーコンはアルゴナイト(希少価値のあるミネラル)でできているため、絶好の金儲けの材料なのである。ターディスが置いてあるビーコンもキャヴェンによって盗まれてしまったので、ドクター、ジェイミーとゾーイは、粗野だが気のいい宇宙の採鉱者、マイロ・クランシーと組んで、盗まれたビーコンを取り戻すことにする。ところが四人は地球の官吏によって盗賊と勘違いされてしまう。四人は盗賊のみならず、政府からも追われる身に!


 これは第47話『クロトンズ』で初登場した名高い脚本家、ロバート・ホームズが執筆した二番目の作品で、スケールの大きなスペース・オペラ(宇宙活劇)です。驚くほど設定が細かで、筋が入り組んでいるので、小さな子供は完全に理解できないかも。あいにく第二話を除いてすべてのエピソードが消去されてしまいました。でも、これが最後の「失われた(テープが消去されてしまった)物語」です。この後の物語はすべて保存されています。


50.ウォー・ゲームズ

脚本:マルコム・ハルク、テランス・ディックス
監督:デイヴィッド・マローニー


第一話:1969年04月19日
第二話:1969年04月26日
第三話:1969年05月03日
第四話:1969年05月10日
第五話:1969年05月17日
第六話:1969年05月24日
第七話:1969年05月31日
第八話:1969年06月07日
第九話:1969年06月14日
第十話:1969年06月15日


二代目ドクターのグランド・フィナーレ!


 ドクター、ジェイミーとゾーイは第一大戦中の地球に到着する。ところが実のところ、そこは地球ではなく、別の惑星だった。エイリアンの種族が地球の歴史上、有名な戦い(アメリカ独立戦争、日露戦争、クリミア戦争などなど)の兵士たちを誘拐し、彼らを洗脳して戦いに従事させていたのだ。その目的は宇宙最強の軍隊を育成することであった。この企みを指揮するのはドクターと同じく、反逆者のタイムロードだった。彼の陰謀を阻止するためには、ドクターは故郷の星にいる仲間たちにこのことを報告しなければならない。だが、そうしたらドクターはもはや時空を旅できなくなってしまう!


 二代目ドクターの物語はいよいよ大団円を迎えることになりました。全10話からなるこの物語は、パトリック・トラウトンの最後を飾るにふさわしい波乱万丈の大作です。また、この作品で初めて謎に満ちたドクターの正体が明らかにされることになります。その意味でも非常に重要な作品といえるでしょう。


 この作品はまだDVDが発売されていません。


●さようなら、二代目ドクター、ジェイミー、ゾーイ!



 反逆者の罪を暴くため、故郷の星にいるタイムロードたちにコンタクトすることを余儀なくされたドクターは、強制的に故郷の星に帰らされ、そこで裁判にかけられます。ドクターは広大な宇宙を見聞したい一心で、タイムロードの規則を破り、時空間を旅していたのです。その過程でドクターはダレックやサイバーマンなど、数々の悪者を退治しました。でも、タイムロードには「他の種族に干渉してはならない」という掟があります。この掟を破った罪として、ドクターは外見を変えられて20世紀の地球に「島流し」されることになりました。ターディスは使用不可能にされたので、もはや時空間を旅することはできません。そしてジェイミーとゾーイは自分たちの時代に戻されることになりました。

 かくしてパトリック・トラウトンが演じるドクターの時代はドラマチックに終了しました。このシーズンをもってモノクロの時代が終わり、次のシーズンからはカラー放送になります。ドクター役は新しい俳優にバトンタッチされるのみならず、ドラマのスタイルも大幅に変えられることになります。新しい『ドクター・フー』の時代が始まります。


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