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●シーズン7の概要

モノクロからカラーへ、子供向け番組から大人向け番組に進化

 新ドクターの登場と共に『ドクター・フー』のドラマ形態にいくつかの変化が加えられることになりました。今やドクターは地球に「島流し」にされ、ターディスが一時的に使用不能になったので、必然的にお話の舞台は現代の地球に限定されることになりました。また、このシーズンより、モノクロ映像からカラーに切り替えられました。当時、イギリスの大半の家庭ではまだカラーテレビが普及しておらず、普及したのはそれから数年後のことだったのですが、それでもカラーで撮影されることになったのです。これらの大きな変化に伴って、対象とする視聴者の年齢層も上げられることになりました。これまでは小さな子供が対象だったのですが、このシーズン以降、ティーンエージャーや大人にターゲットが絞られました。その結果、登場人物たちの年齢層も全体的に上げられ、それまでよりも大人っぽい雰囲気のドラマになりました。


◆三代目ドクター紹介

 一代目と二代目のドクターは慎重派で、様子を見ながらゆっくりと危険な状況にかかわっていきました。それに対して三代目は行動派。積極的に「虎穴」に足を踏み入れていきます。彼は武芸の心得もあり、必要とあらば金星流の合気道で敵に立ち向かうことも辞しません。体だけではありません。先代同様、彼は鋭い知性の持ち主です。科学の知識を生かして、たくさんの目新しい装置を開発しました。彼はカーマニアでもあり、愛車は黄色のロードスター(二人乗りのオープンカー)と「フーモーバイル」と名づけられたホバークラフトです。道徳心に富むあまり、時には説教くさくなることもありますが、基本的に三代目ドクターは快活で愛想がよく、礼儀正しいヒーローだったのです。

 三代目ドクターを演じたのはジョン・パートウィー。彼は1970年の1月から1974年の6月まで、5シーズンにわたってドクターを演じました。なお、同氏は1996年に他界されました。



◆新コンパニオン紹介

●リズ・ショー
 彼女の前任者、ゾーイと同じく、リズ・ショーは高い知能の持ち主。たくさんの学位を持っています。にもかかわらず、ドクターの知識量がものすごいので、彼女はドクターのアシスタントに甘んじるしかありませんでした。秘密主義の軍隊で働くことも彼女の欲求不満を増長させました。知的で成熟した女性であるリズはユニットで二番目の地位に甘んじることに適していなかったのです。結果的に彼女はごく短期間でドクターのアシスタントとしての地位を退くことになります。

 リズ・ショーを演じたのはキャロリン・ジョン。彼女は1970年の1月から1970年の6月までこの役を演じました。でも彼女は1983年11月に放送された『五人のドクター』と1993年の11月に放送された『時間の次元』で復活することになります。


52.サイルリアンズ

脚本:マルコム・ハルク
監督:ティモシー・コーム


第一話:1970年01月31日
第二話:1970年02月07日
第三話:1970年02月14日
第四話:1970年02月21日
第五話:1970年02月28日
第六話:1970年03月07日
第七話:1970年03月14日

地球の先住種族が人間社会にウイルスを放つ!


 原子力発電所の原子炉で原因不明の停電がたびたび発生、ユニットにお呼びがかかる。ドクターの調査の結果、停電の原因が判明する。原子炉を起動したことで、それまで地下で何千年にもわたり冬眠状態にあった爬虫類系の地球の先住種族、サイルリアンを起こしてしまったのだ。彼らは原子炉のパワーを利用して、冬眠中の仲間たちを眠りから覚ましていたのだ。今やサイルリアンたちは「猿」どもの手から地球を取り戻すことを決意、致命的なウイルスを人間社会に放った。ドクターはワクチンを開発し、人類を救うと共に、人類とサイルリアンとの関係を調停することができるか?


 これは通常のエイリアンの地球侵略のお話ではありません。というのは、今回のエイリアンは地球外からやってきた生物ではなく、地球のシルル紀に高度な文明を築いた先住生物だからです。二つの種族が居住権を巡って対立し、間に挟まれたドクターはジレンマにおちいります。今回ドクターは人類を全面的に支持することはできません。なぜならサイルリアンの主張にも一理あるからです。それに対してレスブリッジ・スチュワート准将はサイルリアンを全滅させることを主張し、初めて友達のドクターと対立します。一方、サイルリアンのリーダーは平和共存を唱えますが、過激派が人類撲滅を主張し、リーダーを殺してしまいます。そして致死的なウイルスを人間社会に放ちます。このウイルスがどんどん広がっていく場面はとてもリアルで緊迫感に満ちています。


53.死の大使

脚本:デイヴィッド・ウィテイカー
監督:マイケル・ファーガソン


第一話:1970年03月21日
第二話:1970年03月28日
第三話:1970年04月04日
第四話:1970年04月11日
第五話:1970年04月18日
第六話:1970年04月25日
第七話:1970年05月02日


宇宙飛行士はなぜ失踪したか?


 地球を発った火星探査機7号からの連絡が途絶えたので、事情を探るため宇宙カプセルが打ち上げられる。宇宙カプセルは探査機にドッキングすることに成功するが、宇宙飛行士が探査機に入った途端、耳をつんざくような騒音が鳴り渡り、音信普通になってしまう。ドクターはその騒音が一種のメッセージだと判断する。そうこうしているうちに宇宙カプセルが地球に帰還するが、中から宇宙飛行士が出てこない。カプセルを宇宙センターに運び、バーナーで焼いて扉を開けたところ、中は空っぽで、放射能が充満していた……。


 これは娯楽性に富む、とても面白い物語です。プロットはいい意味で複雑。最初のうちは何が起こっているのかさっぱりわかりませんが、薄皮を一枚一枚むくように事情が明らかになっていきます。この種の物語は悪役の質が面白さを左右しますが、その意味でこの物語に登場する何人かの悪人たちは誰も性格描写が秀逸!演技とわかっていながら、思わず敵意を感じてしまいます。ここまで感情を乱されるということは、物語がよくできている証拠ですよね。そうこうしているうちに、状況は地球の存亡に関わる大問題に発展、手に汗握るラストへと至ります。


 この作品はDVDが未発売です。


54.インフェルノ

脚本:ドン・ヒュートン
監督:ダグラス・カムフィールド、バリー・レッツ


第一話:1970年05月09日
第二話:1970年05月16日
第三話:1970年05月23日
第四話:1970年05月30日
第五話:1970年06月06日
第六話:1970年06月13日
第七話:1970年06月20日

新しいエネルギー源を開発するプロジェクトが大災害に!


 イギリスで「プロジェクト・インフェルノ」と名づけられた計画が進められていた。これは地球の地殻に穴を開け、そこから噴出するガスを新しいエネルギー源として使うというものである。だが、このガスを解放することによって地球の環境に壊滅的な影響が及ぶことが明らかになった。しかも、ドリルの隙間から沸きあがってくる緑色の液体が人間を獣のような原始人に退化させる効果があった。しかし、ドクターがこのプロジェクトをやめさせる前に、修理中のターディスが電圧サージによって誤作動し、ドクターはパラレル・ユニバースに飛んでしまう。そこでは国家統制主義が横溢しており、プロジェクト・インフェルノは完了間際だった……。


 今回ドクターは時間軸を上下する代わりに、平行に進み、パラレル・ユニバースに行ってしまいます。パラレル・ユニバースは興味深いSFのジャンルですが、放送開始後7年目にして『ドクター・フー』が初めてこのテーマに取り組みました。多数の人々から傑作として絶賛されている、見ごたえのあるドラマです。

●さようなら、リズ!
 リズはケンブリッジ大学から仕事をオファーされ、ユニットを離れることになりました。彼女は頭脳明晰で有能のみならず、すこぶる芯が強い。悪人に捕まっても、屈強なボディガードに対して「心配要らないわよ。痛い目には遭わせないから」と涼しい顔で言ってのける肝っ玉姉さんです。ドクターのアシスタントとして頼もしい存在だっただけに、こんなに早く去ってしまうのは残念!


 この作品は英語版のDVDが発売されています。→アマゾンでこのDVDを買う。


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