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時間旅行ドクター・フー→シリーズ7第2話レビュー

■ドクター・フー:シリーズ7第2話『宇宙船に乗った恐竜』

脚本:クリス・チブノール、監督:ソール・メッツスタイン

軽いコメディタッチの作品 

■あらすじ

時は2367年。カナダと同じくらいの大きさの未確認宇宙船が地球に向かって突進してきたので、地球の防衛軍は色めき立つ。これだけ大きな宇宙船が地球に衝突したら、大惨事になることは疑いない。

ドクターは早速、調査チームを結成した。チームの構成員は、伝説的なエジプトの女王・ネフェルティティ、20世紀初頭の猛獣狩りのハンター・リデル、そしてエイミーとローリーである。更に今回は、ローリーの父親であるブライアンが図らずもチームに加わることになった。

一行はターディスで謎の宇宙船内に出現したのだが、驚いたことに、そこでは多数の恐竜がのし歩いていた。衝突までの時間が限られている中で、ドクターは卑劣な悪人・ソロモンに対処すると同時に、仲間と恐竜の命を守らなければならない。

■子供向けの楽しい作品

これはとても軽くて明るいコメディタッチの作品で、子供向けに作られたことがヒシヒシと伝わってきます。

犬のように手なずけたトリケラトプスの背中にまたがり、ゴルフボールを投げて、それを追いかけさせる場面など、子供たちを大いに喜ばせたことでしょう。

トリケラトプスのほかに、翼竜、アンキロサウルス、ラプター(小型で俊敏な肉食性の恐竜)が登場しますが、CGはどれも非常によくできています。

子供は概して恐竜が好きですが、このエピソードには、子供を喜ばせるものがもう一つ登場します。それは大型ロボットのペア。ロボットの声を担当したのは、今イギリスで人気のコメディアン「ミッチェル&ウェブ」こと、デイヴィッド・ミッチェルとロバート・ウェブ。二人はイギリスのコメディ番組『ピープショー』で大好評のコンビですが、このエピソードでも軽妙なセリフで笑いを提供してくれました。

■大人向けの内容もあり

しかしながら、子供向けに作られたにしては、キワどい大人向けのジョークもいくつかありました。

たとえば、色っぽいネフェルティティ女王に対して、ハンターのリデルが、「あなたは冒険の精神に満ちた刺激的な男を求めているようだな。特に大きな武器を持った男にね」と言って、ライフル銃を掲げる場面がありますが、それは完全に大人向けのジョークです。もっとも、子供はそのセリフの裏の意味が読めず、右の耳から左の耳に抜けてしまったでしょうが!

また、最後にドクターが悪人に対してとる処置は残酷すぎるということで、多くのファンの眉をしかめさせました。

■ネフェルティティ女王

ネフェルティティ女王は、ドクターに連れられて、古代エジプトから24世紀に行くのですが、少しも動揺を見せず、すぐに未来社会に順応してしまいます。実際にそんな事態になったら、ものすごい騒ぎになるはず。それに、ネフェルティティの態度や話し方は現代女性のようです。

とはいえ、前述したように、これは軽いコメディタッチの作品なので、あまり堅いことは言わない方がいいのかもしれません。

この話の終わりで、ネフェルティティは自分の時代に帰らないことを決意します。彼女は猛獣狩りのハンター・リデルと一緒になることにしたのです。

この点に関して興味深いのは、実際の歴史で、ネフェルティティの死が記録に残っていないことです。彼女は突然、歴史から姿を消してしまったのです。このエピソードの作者はそんな歴史的事実を踏まえた上で、このエピソードを書いたのかもしれません。