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このページでは1960年代に公開された、タイムトラベルがテーマの映画をご紹介します。日本未公開作品については便宜上、原語のタイトルを邦訳しました。今後、各作品の個人的な感想や解説をコメント欄に書き加えていく予定です。

このマークがついた映画は予告編(英語)を見ることが可能です。クリックすると別のウィンドーが開きます。


◆時のバリアを超えて(仮題)

原題: Beyond the Time Barrier
公開年: 1960
制作国: アメリカ
監督: エドガー・G・アルマー
主演者: ロバート・クラーク
上映時間: 75分
カラー: 白黒
日本未公開作品

テストパイロットが未来にタイムウォープ!


超音速飛行機のテストパイロットが飛行中タイムウォープし、未来に到着する。未来の地球は核実験によって壊滅的な被害をこうむり、ミュータントがはびこっていた。果たして彼は自分の時代に戻ることができるか?


これは低予算で白黒のB級SF映画で、日本未公開。低予算とはいえ、監督は少ない資金を効果的に使っているので、けっこう見られます。未来社会のインテリアは1959年のテキサス州博覧会に出品された未来派の建築を流用したものだそう。扉や壁や柱はすべて三角形やピラミッドの形がモチーフになっています。マットペインティングで描かれた未来都市の遠景や稚拙な特撮は、現代の洗練されたCGには比べるべくもありませんが、昔のSF映画に特有のキッチュでレトロな魅力があり、未来にタイムウォープしたパイロットの気分を味わえます。


◆タイムマシン


原題: Time Machine
公開年: 1960
制作国: アメリカ
監督: ジョージ・パル
主演者: ロッド・テイラー、アラン・ヤング、イヴェット・ミミュー
上映時間: 103分
カラー: メトロカラー

SFの父、H.G.ウェルズが書いた世界初のタイムトラベル小説を映画化!


ヴィクトリア時代のイギリス人科学者ジョージ(ロッド・テイラー)がタイムマシンを発明し、80万年後の世界に向かう。未来の地球で人類は地上に住む温和な人種と、地下に住む残忍な食肉人種のモロックに分かれていた。モロックによってタイムマシンが奪われたため、ジョージは自分の時代に帰るために危険を省みず地下に乗り込んでいく。


これはSFの父、H.G.ウェルズが書いた同名の小説を映画化した作品です。小説『タイムマシン』の初版は1895年に出版されました。この映画は1961年のアカデミー特撮賞を受賞しました。主人公のジョージがタイムトラベルする場面は特に有名です。継時露出の撮影テクニックを使って、太陽や月が昇ったり沈んだりする模様や、ツタが窓ガラスをつたって成長していく様などが、ものすごい速さで映し出されます。また、時代の流れを表すために、ショーウィンドーのマネキンの洋服が次々に変わっていく場面も有名です。女性のスカートの丈がどんどん短くなっていくのがおかしい。

2002年版『タイムマシン』の詳細はここをクリック!


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◆ラ・ジュテ

原題: La Jetee
公開年: 1961
制作国: フランス
監督: クリス・マルケル
主演者: ダヴォス・ハニッヒ、エレン・シャトラン
上映時間: 28分
カラー: 白黒

ひたすら美しくて、ひたすら切ない……アートの域にまで達した短編SF映画


核戦争のあと、地球は廃墟と化した。生存者は放射能を避けるため地下に住むことを余儀なくされた。数人の人々が地下でタイムトラベルの研究を始めた。戦争前の世界にタイムトラベルし、食料などの必需品を調達したり、窮状の解決策を模索したりするためである。実験は中々成功しなかったが、遂に突破口が開かれる。その男は子供時代の漠然とした思い出が心から離れなかったため、それが引き金となって過去にタイムトラベルできたのだ。過去の地球で男は美しい女性に出会い、恋に落ちる。ところが……。


これは白黒の静止写真で構成された、きわめてユニークな作品です。セリフはなく、ナレーションで筋が説明されます。上映時間はわずか30分足らずですが、物語のスケールが大きいので、インパクトはかなり大きい。写真の一枚一枚が芸術的で美しい。それぞれの写真を額に入れてアートギャラリーに飾ってもおかしくないほどです。静止画像の連続ではありますが、途中で一度だけ、ベッドに横たわった女性が何度かまばたきする有名な場面があり、忘れられない鮮烈な印象を残します。

ブルース・ウィリス主演の『12モンキーズ(1995)』はこの作品が元になっていることも有名な話です。私は『12モンキーズ』よりも『ラ・ジュテ』のほうが遥かに好きです!

監督のクリス・マルケルは日本文化に関心があったらしく、何本か日本を扱ったドキュメンタリー映画を撮っています。『ラ・ジュテ』に心酔した日本人の方が、東京で同じ名前のバーを開いたそうです。バーの中には映画のスチル写真が飾られていたそう。このバーがいつオープンしたかは知りません。やはり60年代でしょうか?さすがに今はないのでしょうね。ちなみに、クリス・マルケル氏はこのことをとても喜んでいたそうです。このバーについてご存知の方はいらっしゃいますか?


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◆三ばか大将、ヘラクレスに会う(仮題)

原題: The Three Stooges Meet Hercules
公開年: 1962
制作国: アメリカ
監督: エドワード・バーンズ
主演者: モー・ハワード、ラリー・ファイン、ジョー・ドゥリタ
上映時間: 89分
カラー: 白黒
日本未公開作品

三ばか大将が古代ギリシアにタイムトリップ!


三ばか大将は薬屋に勤めている。薬屋の隣に住む若い科学者シャイラーがタイムマシンを発明した。そこで、三ばか大将とシャイラー、そして彼のガールフレンドのダイアンの五人は古代ギリシアにタイムスリップ!一行はオディウス王に会うが、好色な王はダイアンを一目見て気に入り、彼女を独り占めにするため、残りの四人を奴隷船に送ってしまう。果たして四人は奴隷船から脱出し、ダイアンを救い出して自分たちの時代に戻れるか?


三ばか大将は1930年代から60年代にかけて活躍した、アメリカを代表するコメディ・トリオです。ボードビル(演芸場)で活動していたところを映画会社に見出され、MGMと契約、そこで何本かの映画を撮りました。そのうちの一本は『時計を戻して(1933)』、タイムトラベルをテーマにしたコメディ映画です!

その後、コロンビア(現ソニー・ピクチャーズ)に移籍して、ショートに出演するようになりました。ショートというのは、本編の映画が上映される前に前座として上映された、20分ほどの短編映画のことです。多分、当時の日本では、このショートが映画館ではなく、テレビで放映されたのではないかと思います。

三ばか大将は体を張ったギャグと、ジョークで笑いをとります。ヘアスタイルも奇抜。一人はおかっぱ頭、一人は天然パーマの爆発頭、そしてもう一人は坊主頭で、見た目からして面白い。三人ともすでにお亡くなりになり、日本ではすっかり忘れ去られたようですが、本国アメリカではいまだに根強い人気を誇ります。

それにしても、「三ばか大将」という日本語訳は名訳だと思います。いかにもそんな感じです。この名前を考えついた日本の方はエライ!

この作品は先に申し上げたショートではなく、上映時間89分のれっきとした長編映画。古代ギリシアが舞台なだけに、制作費もそれなりにかかっているようで、見ごたえがあります。登場人物がタイムマシンに乗りながら、トラファルガーの海戦や第一次大戦など、歴史上の重要なできごとを見学する場面もあり、タイムトラベル映画としても面白い。三ばか大将が出演した長編映画の中では、この作品が最も高く評価されているようです。なお、これは日本未公開作品だと思います。


この作品は日本語版が発売されていません。アメリカのアマゾンでこの作品を買う。


◆ザ・イエスタデー・マシン(仮題)

原題:The Yesterday Machine
公開年: 1963
制作国: アメリカ
監督: ラス・マーカー
主演者: ティム・ホルト、ジェームス・ブリットン
上映時間: 85分
カラー: カラー
日本未公開作品

ナチの科学者が過去にさかのぼって第二次大戦の結果を変えようとしたら?


大学のフットボール選手と彼のガールフレンドが車で試合に向かう途中、車が故障する。ふたりが付近の農家に助けを求めるべく森の中を歩いていたところ、説明不能の情景に出くわす。南北戦争の兵士と思われる男たちが焚き火の周りを取り囲んでいたのだ!


◆ザ・タイムトラベラーズ(仮題)

原題: The Time Travelers
公開年: 1964
制作国: アメリカ
監督: イブ・メルキオール
主演者: プレストン・フォスター、フィリップ・キャリー、メリー・アンダーズ
上映時間: 82分
カラー: カラー
日本未公開作品

タイム・ポータルの向こう側に広がっていた世界は……?


大学の研究室に勤める科学者3人がタイムカメラ実験(過去や未来の情景をテレビのように映し出す実験)に従事している。実験は成功するが、それは単なる映像ではなく、タイムポータル(違う時代につながっている扉)だということが判明する。科学者たちは扉を越えて107年後の時代に足を踏み入れるが、そこで彼らを待っていたのは、核戦争によって破壊された未来社会だった。


これは日本未公開作品です。本国アメリカでも知名度は低く、DVD化も実現していません。低予算のB級映画ではありますが、アイデアは秀逸だし、監督も俳優も技術スタッフも、いい映画を作るため全力投球したことがわかります。ですので、もっと注目されていいと思います。アーウィン・アレンはこの映画を見て、テレビドラマ『
タイムトンネル』のアイデアを思いついたといわれています。

この作品は結末が斬新で意表を突いています。私は今まで多くの映画を見てきましたが、これほど大胆不敵なラストは見たことがありません。タイムトラベル映画にふさわしいショッキングな幕切れで、見終わったあとも頭をひねって考えさせられる作品です。


◆ドクター・フーとダレックス(仮題)

原題: Dr. Who and the Daleks
公開年: 1965
制作国: イギリス
監督: ゴードン・フレミング
主演者: ピーター・カッシング、ロイ・キャッスル
上映時間: 82分
カラー: テクニカラー
日本未公開作品

BBCのテレビドラマを映画化第一弾


奇妙な発明家ドクター・フー(ピーター・カッシング)が「ターディス」と名づけられたタイムマシンを誤って起動させてしまい、ドクターと彼の孫ふたり、そして青年イアンは時空を駆け抜け、スカロ星に到着する。そこでは平和を愛するサール族が非情なエイリアン、ダレックから核攻撃を受けていた。


大ヒットしたBBCのテレビドラマ、ドクター・フーの『
ザ・ダレック』を映画化したのがこの作品です。テレビドラマの俳優さんたちはテレビの撮影で忙しかったので、別の人々がキャスティングされました。ドクターを演じたのはホラー映画でおなじみのピーター・カッシング。テレビ版のドクターは誇り高くて居丈高な感じでしたが、映画版のドクターは温和で優しいイメージに。青年イアンを演じたロイ・キャッスルは当時、若者の間で人気だった俳優。気取りのない二枚目半のキャラクターが好感度バツグンで、コメディー演技で笑わせてくれます。

この映画は低予算とはいえ、テレビの予算と比べたら額は桁違い。基本的なストーリーは同じながら、ぐんとスケールアップしたセットやアクションを楽しめます。こちらはカラーですし(テレビは白黒)。ところで余談ですが、ピーター・カッシングさんの名前の読み方は混乱を避けるため日本の表記に従いましたが、本当の発音は「クッシング」のようです。BBCのアナウンサーを始め、イギリスの方はみんなそう発音しています。


この作品は日本語版が発売されていません。本国イギリスでは、この作品が下記の作品とカップリングされ発売されています。イギリスのアマゾンで英語版のDVDボックスセットを買う。


◆2150年:ダレックスの地球侵略(仮題)

原題: Daleks' Invasion Earth: 2150 A.D.
公開年: 1966
制作国: イギリス
監督: ゴードン・フレミング
主演者: ピーター・カッシング、バーナード・クリビンズ
上映時間: 81分
カラー: テクニカラー
日本未公開作品

BBCのテレビドラマを映画化第二弾


ドクター(ピーター・カッシング)と彼の仲間たちは2150年の地球に到着する。だがそこで未来人たちはダレックによって奴隷化されていた。ドクターたちはダレックを倒すべく、抵抗運動のグループに加わる。


大ヒットしたBBCのテレビドラマ、ドクター・フーの『
ダレックスの地球侵略』を映画化したのがこの作品です。第一弾の『ドクター・フーとダレックス』は当時大ヒットしましたが、第二弾は目新しさがなくなったせいか、二匹目のドジョウはならず、不入りに終わってしまったそうです。プロデューサーは三作目も作りたいと思っていたそうですが、その夢は実現しませんでした。

ストーリーはテレビドラマとほとんど同じです。同じ物語を違う俳優が演じるのを見るのは面白いものです。それに映画はテレビよりも予算があるので、セットにしろ、特殊撮影にしろ、ぐんとスケールアップしました。スタントマンが演じるアクションシーンなど、かなり迫力がありますよ。


この作品は日本語版が発売されていません。本国イギリスでは、この作品が上記の作品とカップリングされ発売されています。イギリスのアマゾンで英語版のDVDボックスセットを買う。


◆ディメンション5(仮題)

原題: Dimension 5
公開年: 1966
制作国: アメリカ
監督: フランク・アドレオン
主演者: ジェフリー・ハンター、フランス・ヌーイェン、ハロルド・サカタ
上映時間: 91分
カラー: カラー
日本未公開作品

スパイがタイムトラベルできたら……?


「大仏」というコードネームを持つ中国人諜報員がアメリカに原子爆弾の材料を輸入しようとしていた。エスピオナージュ社のトップスパイ、ジャスティン・パワー(ジェフリー・ハンター)は中国系女性のスパイ、キティと組み、原子爆弾が完成する前に「大仏」のもくろみを阻止しなければならない。ジャスティン・パワーには心強い武器があった。それはエスピオナージュ社によって開発された驚異のタイムトラベル・ベルトだ!


◆時間の中心への旅(仮題)

原題: Journey to the Center of Time
公開年: 1967
制作国: アメリカ
監督: デイヴィッド・L・ヒューイット
主演者: スコット・ブレイディ
上映時間: 82分
カラー: カラー
日本未公開作品

三人の科学者が過去と未来へタイムトラベル!


3人の科学者がタイムトラベルの完成を目前にして、新しく就任した冷酷な上司から「24時間以内にタイムマシンを完成させない限り開発資金を打ち切る」と宣言される。焦った3人がタイムトラベルの安全基準を超えて操作した結果、遠い未来や太古の昔にタイムウォープしてしまう。3人は現代に戻るべく奮闘するが、そこで意外な驚きが待ち構えていることを知るよしもなかった……。


これは上記の『ザ・タイムトラベラーズ』のリメイクです。ただし、アイデアを借用しているのは初めと終わりの部分だけで、中盤はまったく違った展開になっています。オリジナル版が低予算だったとしたら、こちらは【超】低予算!背景を作るお金もなかったのか、真っ黒な空間が背景に広がっているだけの場面さえあります。それでも時間SFのアイデアそのものは悪くなく、それなりに楽しめます。


この作品は日本語版が発売されていません。アメリカのアマゾンでこの作品を買う。


◆猿の惑星


原題: Planet of the Apes
公開年: 1968
制作国: アメリカ
監督: フランクリン・シャフナー
主演者: チャールトン・ヘストン、ロディ・マクドウォール、キム・ハンター
上映時間: 112分
カラー: デラックス

SF映画史に残る名作!


時は3978年。4人の宇宙飛行士を乗せた宇宙船が遠くの惑星に不時着する。その星は言葉を話す知的な猿によって支配されており、人間は奴隷化されていた……。


これはほとんどの方がご覧になっているのでは?ひょっとしたらまだ未見の方もおられるかもしれないので、かの有名なラストシーンをばらすことは避けますが、本当に最後の場面は衝撃的でしたね!当時、劇場で公開されたときのショックはただならぬものがあったようです。この映画はフランス人作家、ピエール・ブールの小説が基になっているそうです。私は小説を読んでいないのですが、小説のラストは映画とは違うものだったそうです。ブール氏自身、小説よりも映画のラストのほうを好んだそうです。さすが『トワイライト・ゾーン』のロッド・サーリングが初稿を執筆しただけありますね。

 有名な作品だけに、興味深いエピソードにも事欠きません。猿のメークは非常に時間がかかるので、俳優は休憩中もメークをつけたままで食事することを命じられたそう。固形食はミキサーにかけられ、流動食にして供され、俳優はストローでそれを飲んだそうです。ウーン、いかにもまずそう!

 もっと面白いのは、猿メークの俳優が休憩中に同じ種同士でたむろしたということです。つまり、オランウータンはオランウータン同士で集い、チンパンジーはチンパンジー同士でつきあっていたそうです!もちろん、そんな決まりがあったわけではありません。自主的かつ自然にそうなったのだそうです。なんと興味深い話でしょう!

 それとキム・ハンターが演じた女性チンパンジー、ジラ博士の役は元々イングリッド・バーグマンに話がいったのだそう。でも彼女は猿メークが安っぽい仕上がりになることを恐れ、話を断ったのだそうです。20世紀フォックスも猿の特殊メークのできを心配していたそうですが、結果はメークアップを担当した人がアカデミー賞を得る快挙となり、バーグマンはこの役を蹴ったことを後々まで後悔していたそうです。

 なお、この作品は2001年にティム・バートン監督によってリメイクされました。リメイク版の詳細はここをクリック!


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