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このお話はあるアメリカの男性が体験した実話です。

 1980年代の後半のことです。ある日の午後、私はひとりで映画を見に出かけました。午後4時45分の回を見るために家を出ました。私は車を駐車場に止め、切符売り場まで走っていって切符を買いました。映画館に入り、映画を最後まで見ました。エンド・クレジットが流れ始めたので、私は席を立ち、劇場を後にしました。劇場のドアを開けロビーに出たとき、私は奇妙な感覚に襲われました。まるで複数の場所に同時に立っているような感じでした。体のどこかが痛んだわけではありません。気分が悪くなったわけでもありません。単に変な感じがしただけです。そんな気分になったのは長時間座っていたのが原因だろうと考えました。劇場を出る際、ロビーに人っ子ひとりいないことに気づきました。それと外に出たとき、この時間にしては明るいな、と感じたことを覚えています。

 車に入り、エンジンをふかしたとき、車の時計に目がとまりました。時間は5時ちょっと過ぎでした。腕時計を見たら、そちらは正しいと思われる時刻……6時半をさしていました。家に戻ったとき、掛け時計の時間は5時15分になっていました。この日、何が起こったのか、今もってわかりません。映画を全部見たにもかかわらず、15分しか劇場にいなかったことになります。私はこのできごとをいまだに忘れることができません。

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