下記のお話はイギリスのリバプールに在住の作家、トム・スレメンさんの筆によるもので、彼から許可をいただいて翻訳させていただきました。


1996年のことです。ある土曜日の午後、非番の警察官フランクさんと彼の妻キャロルさんはリバプール市内で買い物をしていました。二人はセントラル駅の前でいったん別れました。キャロルさんは書籍『トレイン・スポッティング(アーヴィン・ウェルシュ著)』を買うため、ボールド街にある「ディロンズ」という名の書店に向かいました。フランクさんはCDを買うため、別の通りにあるレコード店に向かいました。

約20分後、彼は書店にいる奥さんに会うため、文化会館のそばにある坂道を上り、ボールド街に向かいました。そのとき彼はあたりがシンと静まり返っていることに気づきました。

突如として、小型トラックがクラクションを鳴らしながら彼のすぐそばを高速で通り過ぎていきました。そのトラックは1950年代から抜け出してきたように見えました。彼はトラックの側面に「キャプランズ」という会社名が記されていることに気づきました。下を見たら、フランクさんは車道に立っていました。彼はすぐに何かがおかしいと感じました。なぜなら前回、下を見たとき、そこは歩道だったからです。

車道を横切って歩道に出た彼は、もはやそこに書店がないことに気づきました。その代わりに「クリップス」という名前が店の入り口の上に記してありました。無理からぬことですが、彼は混乱しました。クリップスの窓を覗き込んだところ、そこに本はなく、代わりに婦人用のハンドバッグや靴が陳列されていたのです。彼は振り返り、道行く人々が40〜50年代の服を着ていることに気づき、ひどく狼狽しました。どういうわけかフランクさんは40年ほど前のボールド街に足を踏み入れてしまったのです。

そのとき彼は20代の女性を目にしました。彼女は90年代中ごろの服……ライム色の袖なしのトップを着ていました。彼女のバッグには「ミス・セルフリッジ」の店名が記されていました。フランクさんは自分がまだ部分的に1996年にいることを知り、ひどく安心しました。彼は女性に微笑みかけました。女性は彼の前を通り過ぎ、クリップスに入っていきました。

彼が女性を追って店に入った途端、インテリアが豹変しました。そこはディロンズ書店だったのです。フランクさんは自分の時代に戻ったのでした。書店の入り口で彼は女性の腕をつかみ、「君も見たんだな?」と問いかけました。女性は静かに「ええ。新しい店が開いたと思ったの。服を見るつもりで入ったのに、本屋に変わってしまったの」と答えました。女性は笑い、頭を振って、店を出ていきました。その後、彼女は振り返り、信じられないというように再び頭を振りました。彼が奥さんにこの体験を話したところ、彼女は特に変わったことに気づかなかったと言いました。でもフランクさんは、この体験が幻覚ではなかったと主張して譲りません。

私(著者トム・スレメン)がこの奇妙なタイムスリップの話をラジオ番組で話したところ、すぐに人々がラジオ局に電話を入れてきました。彼らの話によると、50年代から60年代にかけて、現在ディロンズ書店がある場所に、クリップスという名の店があったといいます。また、当時キャプランズという名前の会社が確かにあったそうです。

さらに私はラジオの聴取者から手紙や電話を受け取りました。彼らもフランクさんが別の時代に足を踏み入れた場所で奇妙なことを体験したというのです。ボールド街にある文化会館の改装に携わっていた男性は、デジタル腕時計が一日のうちに二時間も逆行したそうです。またある時は、安全用ヘルメットをとって床に置き、ほんの数秒目を離したあと、再び視線を床に移したら、ヘルメットは影も形もなかったといいます。その時、周囲には誰もいなかったそうです。

・この話は興味深いし、面白いです。タイムスリップその他時間に関係ある怪現象を最近違う角度から考えています「この方は50年代にタイムスリップしたのでしょう、しかしこの話が真実だとしても果たして同じ時間軸の世界かどうかまでは分かりませんよね」

syunさん(2017年2月12日)

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