このお話はタイムスリップ体験談として非常に有名なものです。

上の絵画は、この話の舞台であるイギリス・カージー村の風景で、イギリスの画家・作家のジャック・メリオット(1901〜1968)が描いたものです。


時は1957年の10月。ある晴れた日曜日の朝のことです。英国海軍艦船ガンジス号に所属する三人の研修生が、サバイバル訓練のため、カージーという名の小さな村に行って、戻ってくるよう命令されました。三人の名前はウィリアム・ラング、マイケル・クロウリー、レイ・ベイカー。当時は三人とも15歳でした。

三人は道伝いに歩いていき、野原を横切ろうとしました。そこで三人の少年は、これから起こる奇妙なできごとの前触れとも言えるようなことを体験しました。ビル・ラングが野ウサギに出くわしたのです。そのウサギはじっと彼を見つめていました。彼がウサギを抱き上げたところ、ウサギは逃げようとしてもがくこともなく、腕の中でおとなしくしていました。地面に戻したら、ウサギはピョンピョン走り去っていきました。

そのあと、少年たちは灰色の石で作られた小さな家に行きつきました。農場の労働者が、門にもたれながら、三人を疑り深いまなざしで見つめていました。少年たちがカージー村への道順を尋ねたところ、労働者はある方向を指さし、「ここをまっすぐ行きな」とぶっきらぼうな口調で答えました。

それから10分後、村が見えてきました。住宅の屋根と、カージー教会の高い尖塔が目に入りました。三人とも教会の鐘の音を耳にしたのですが、教会から100メートルほどの距離まで来たところで、鐘の音はピタリとやみました。そしてあたりは不気味な静寂に包まれました。

三人が村の南端に足を踏み入れたところ、それまで木々の間で見え隠れしていた古い教会はもはやそこにありませんでした。舗装された道も消え、泥道がそれに取って代わっていました。右手に見えるのは森の木々だけで、家は一軒もありませんでした。左手には二、三軒のみすぼらしい住宅がところどころに建てられていました。

村の真ん中を小川が流れていたので、三人はその小川に沿って村の北側に向かって歩いていきました。北側には南側よりも多くの家がありましたが、どれも小さく、古めかしくて、汚れていました。

小川には橋がかかっていましたが、それは今日の橋とは比べ物にならないくらい、みすぼらしいものであり、二つの厚い木の板と、四本の柱と、手すりでできていました。

村は閑散としており、道端でおしゃべりする人々や通行人の姿は一切見られませんでした。唯一目にした生き物は、小川の近くにいる数羽のアヒルだけでした。しかしどのアヒルも身動き一つせず、鳴き声も聞こえませんでした。

車や電話線、テレビやラジオのアンテナなど、現代の生活を象徴するものは何一つありませんでした。

村はシンと静まり返っており、小鳥の鳴き声すら聞こえなかったので、三人は気が滅入ってきました。道には犬一匹いませんでした。そよ風も感じられず、木々の葉がザワザワ音を立てることもありませんでした。この村に至るまで、木々の葉は秋色に染まっていたのに、この村の木々には春を思わせる生き生きとした緑の葉が茂っていました。

三人が肉屋の窓から中を覗いたら、そこには皮をはがれた牛が吊るされていました。牛は時間の経過によって緑に変色していました。村で見かけた店はそこ一軒だけでした。店の中は非常に汚く、クモの巣が張り巡らされていました。店の主は何週間も前に店をたたみ、どこかへ引っ越していったように思われました。

三人は他の家の中も覗いてみました。どの家も家具が見当たらず、ガランとしており、窓にはカーテンさえかけられていませんでした。

そのころまでに三人の不安は頂点に達していました。まるで目に見えない観察者たちに取り囲まれているような気分だったので、三人は足を速め、最後には走り出しました。道のはずれまで来た三人は息をつくため立ち止まり、うしろを振り返りました。そのころまでに静寂は破られ、教会の鐘の音が鳴り響いていました。それまであたりに立ち込めていた霧は晴れ、村の南端には教会が見えました……。


イギリスの「超常現象研究協会」の副会長であるアンドリュー・マッケンジー氏は、1988年から90年にかけて、このできごとを入念に調査しました。

歴史的な事実関係を調べたところ、教会の建設は1340年代に始まったものの、黒死病の流行によって1349年に一時中断されたことが判明しました。建設が再開されたのは15世紀で、1481年ごろに完成したと伝えられています。

三人のうち一人がカージー村の絵葉書を見て、肉屋の場所を指摘しました。その建物はその時点で肉屋として使われていなかったものの、少なくとも1790年には肉屋だったことが判明しました(それ以前の記録は残されていません)。肉屋の建物そのものは15世紀に建てられたことが判明しました。

マッケンジー氏は、三人の少年が、黒死病の流行によって放棄された中世の村にタイムスリップしたのだと結論づけました。

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・以前、何かの本で、ベルサイユ宮殿の過去にタイムスリップした記事を読みました。こんな事、嘘をつく理由がないし、実際あるのかと思っていましたが不思議ですね。

さぶろうさん(2014年4月15日)


・中世ヨーロッパならば、強烈な匂いがそんざいしたはず。体臭や汚物等、現在の動物園以上の不快さを感じるものなのだが・・・臭覚は麻痺するのだろうか? 実は私は、過去にタイムスリップしたことがあるのだが、何よりも周囲からの強烈な臭気が印象的だった。

Desler Basileusさん(2013年7月30日)


・It's so mysterious!(2013年1月5日)

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