このお話はアメリカ人男性、キース・マニーズさんの体験談です。上の写真はイメージ画像で、このお話とは関係ありません。
1985年の夏のことです。私はカンザス州の交通省に雇われ、人里離れた田舎の高速道路の交差点で交通調査をしていました。それは退屈な仕事でしたが、空き時間を利用して読書をすることができたし、給料は大学の学費の足しになっていました。
あれは7月の午後のことでした。あの日は特に暑かったことを覚えています。私はカンザスの中西部にある、スモーキー・ヒル川が流れる谷を見下ろす場所で交通調査をすることになりました。その日は特に変わったことは起こらず、淡々と過ぎていました。突如として、電子音を思わせる非常に高い調子の騒音が鳴り始めました。私は直ちにカーラジオを消しましたが、騒音は止みませんでした。そのイライラする音は車の後方から聞こえてきていたので、そこを見てみることにしました。
道路を歩いているとき、右目の端で何かが動くのを感じました。振り向いたら、道路の土手を馬に乗ったインディアンが降りてくるではありませんか!私は驚愕しました。彼は現代的なネイティブ・アメリカンではありませんでした。1840年ごろのスナップショットで見られるような、昔のインディアンだったのです。彼は皮製のふんどしとモカシンを身に着けていましたが、それ以外は裸でした。彼は鞍なしで馬に乗っていました。乗馬用具は一切なく、単にロープが子馬の頭に縛り付けてあるだけでした。右手には古めかしいライフルが握られており、左手はロープをつかんでいました。
私はこの光景に息をのみました。話しかける言葉に窮したので、「ハイ!」と声をかけました。インディアンは私の興奮気味の挨拶を気にもとめませんでした。まるで私の存在が見えないかのようでした。インディアンは道の向こう側に至ったところで、馬を止め、川の流れる谷を真剣に見つめました。彼が何を見ているのか好奇心に駆られた私は谷に視線を移しました。またしても驚いたことに、延々と続くバッファローの大群がそこにありました。二分前には何もなかったというのに!私は混乱しました。なぜならバッファローの大群は100年以上も前にカンザス州から消えうせたからです。
私は息をついて、インディアンと馬に視線を戻しました。でもそこには何もありませんでした!私は彼がいた場所まで走っていて、谷を見下ろしました。インディアンのみならず、バッファローの群れも消えうせていました。私は灼熱の太陽に照らされながら車に戻りました。そのころまでに騒音も聞こえなくなっていました。
私は車の前部座席に座り、少しフラフラした状態で先ほど見た光景について考えました。あれは幽霊だったのでしょうか?インディアンの亡霊だったのでしょうか?それとも私は時の穴を体験したのでしょうか?