1970年代初頭のある晴れた日のことです。ベネズエラ・メリダ市のアンデス大学（ベネズエラ最大の公立大学）の駐車場で、著名な教授（名前は公表されていない）が自分の車に向かって歩いている姿を何人かの人が目にしました。その途中、教授は知り合いに出会い、立ち止って少しの間おしゃべりをしました。
車に到着した教授は、何人かの学生が遠くで手を振っているのを目にし、手を振り返しました。その後、彼は車に乗り込み、ドアを閉めました。
しかし、車は発車することなく、教授はそれっきり行方不明になりました。それはまるで、車のドアが別の世界に通じるポータルであるかのようでした。
記者のセグンド・ペニャ氏は記事の中で次のように述べています。
「車の所有者は40年以上行方不明になっている（彼の家族に敬意を表するため名前は伏せる）。この人物は異次元からやってきた何者かに誘拐されたのだろうか？ 心理学者はこの種の事例が錯覚・誤解・幻覚・夢想癖で説明できると主張している。だが、この謎はいまだに解明されていない。」
ペニャ氏は、この事件を担当している地元の警察官にインタビューしました。その警察官のファイルには、事件が起きた時、教授の姿を見た人たちの証言が収められています。
それらの証言によると、教授が車から出る姿を見た人は一人もいませんでした。携帯していたカバンは助手席に無造作に置かれていました。彼から家族には何の連絡も入らなかったといいます。
教授は並行世界に行ってしまったのだと、多くの人々が考えています。また、「教授は自分が並行世界に行ってしまったことに気づくこともなく、車を発進して自宅に向かったのかもしれない。そして、あちらの世界で一生を終えたのかもしれない」というような説を唱える人もいます。
