これはアメリカのミネソタ州にお住まいのジャックさんの体験談です。


1980年前後、私が住んでいたあたりには数多くの農家が放置されていました。

土地の所有者はそれらの農家を燃やしたり、取り壊したりして、空いた土地を開墾し、農地として利用するようになりました。それらの農家の中には骨董品を置いてある家もあったのですが、家を壊す時、骨董品も一緒に処分されてしまったんです。そこで私は、友達と一緒に、取り壊される予定になっている家に入り、家具や装飾品を持ち出して、骨董品店に売って小遣いを稼ぐようになりました。

ある日、友達とドライブしていたら、取り壊される予定になっている家が目に留まったので、その中に足を踏み入れました。家の中にホコリは積もっておらず、割れた窓ガラスもありませんでした。でも、ほとんどの家具は持ち出されており、その家が長い間放置されていることは明らかでした。

私たちは部屋を一つ一つ見て回りました。二階の浴室に上等の浴槽がありました。白のほうろう製で、動物の足をかたどった真鍮製の脚がついていました。最近、骨董品店に行った時、似たような浴槽が1000ドル(約12万円)以上で売られていたので、他の友達に声をかけ、みんなでその浴槽を持ち出して、骨董品店に売って金儲けしよう、ということになりました。

ところが、ある部屋だけは扉がビクともせず、どうしても開きませんでした。そこで私たちは代わり番こに扉に体当たりすることにしました。何度か体当たりした末、やっとのことで扉をこじ開けることに成功しました。その扉は中から釘が打ちつけられていたので開かなかったのです。窓は施錠されていました。つまり、その部屋は密室であり、出ることも入ることもできない状態だったのです。

部屋の中には何もありませんでした。クローゼット(押入れ)がありましたが、その中も空っぽ。その時、扉がギ〜ッという音を立てながらゆっくり閉まり、私たちは扉の内側を目にしました。

そこには上から下までひっかき傷がついていました。堅固な木製の扉に深く大きな爪痕(つめあと)がついていたのです。その傷は熊の爪痕ほど大きくはありませんでしたが、犬の爪痕よりも大きかったです。「ひょっとして……狼男……?」という突飛な考えがふっと私の心をかすめました。

この家のただならぬ雰囲気に恐れをなした私たちは退散することにしました。一体、「何」がひっかき傷をつけたのか、知りたいとは思いませんでした。私たちはこの不気味な家をそそくさとあとにしました。

その夜、バーで友達と飲んでいた時、私は酔った勢いで、その家に関する自慢話を始めました。そして、数人の友達をその家に連れていくことになりました。

ところが、友達を連れて現場を再訪したら、その廃屋は跡形もなく消え失せていました。それから二週間にわたり、50平方キロメートルの範囲を徹底的に探し回ったのですが、結局見つけることはできませんでした。家が燃やされたり、取り壊された形跡もありませんでした。

ひょっとして私たちは、過去にタイムスリップし、当時存在していた廃屋を訪れたのでしょうか? なぜ密室の扉にひっかき傷がついていたのでしょう? 謎は深まるばかりです……。

ご利益のある護符

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