これはアメリカ・カンザス州にお住まいの女性・パトリシアさんの体験談です。


ある春の日のことです。大学の三年生だった私は三人の友達(ナンシー、ブライアン、マーク)と一緒に、町はずれの田舎にドライブすることにしました。

一時間ほど車を走らせていたら、古い教会に行き当たりました。教会のそばには墓地がありました。ブライアンが車を運転していたのですが、彼はそこに車を停め、あたりを見学することになりました。

みんな車から降りてあたりを見て回りました。その日は暖かったのに、墓地に足を踏み入れたら、なぜか気温が10度くらい下がりました。ナンシーは「肌寒い」と言って車に戻り、上着を身に着けました。

墓地は管理が行き届いていましたが、なぜか花をいっさい見かけませんでした。それは奇妙なことに思えました。なぜなら、その週の終わりに「戦没者追悼記念日」があったからです。また、お墓に刻まれた日付はどれも1931年以前のものでした。そのことも奇妙に思えました。というのも、その墓地には新しいお墓を立てるための空き地が十分にあったからです。

ブライアンが教会の中に入ることを提案しました。ほかにすることもなかったので、全員が同意しました。

教会の窓に板が打ち付けられていたので、扉には鍵か閂(かんぬき)がかけられていると思ったのですが、扉を押したらすんなりと開きました。この時点で、みんなちょっと神経質になったのですが、にもかかわらず全員が教会の中に足を踏み入れました。

かび臭い空気が鼻をつくだろうと思っていたのですが、意外にもそこには花の匂いが漂っていました。それはバラの香りでした。中はピカピカで、チリ一つ落ちていませんでした。

私たちは困惑した表情を見せながら周りを見回しました。これは廃棄された教会です。教会の外見はそのことを如実に物語っています。ところが、内部は掃除が行き届き、清潔だったのです。これはどういうことでしょう?

次に私たちが気づいたことは、座席に聖書が置かれていることでした。まるで信者がやって来て聖書を取り上げるのを待っているかのようでした。私たちはお互いに顔を見合わせました。そして私は「ここから出ていった方がいいと思う」と言いました。

ナンシーは神経質に笑って「そろそろ家に帰らないと」と言いました。そして「なんか暑くなってきたし」と付け加えました。ブライアンとマークは、若い男の子らしく虚勢を張って、「お前たちは弱虫だ。暑いのなら上着を脱げばいいだろう。俺たちはもうちょっと探検したいんだ」と言いました。

ナンシーと私は勇気を振り絞って、もう少し教会の中にいることにしました。ところが、そのうちにホコリが現れ始めたのです。それも少量ではなく、厚くつもったホコリでした。それはまるで、教会が荒廃した外見に追いつこうとして、急速に老朽化しているかのようでした。

やがてベンチ席の間にクモの巣が現れ始めました。この時点で全員が胸騒ぎを覚えました。そして私たちは、まるで悪魔に追いかけられるかのように、一目散に外に走り出たのでした。

家に向かって車を走らせていた時、ナンシーが「上着を教会の中に置き忘れた」と言いました。ブライアンは「気にするな。明日の午後に戻ればいい。今日はもう暗くなったから戻りたくない」と言いました。でも私は、彼が教会に戻りたくない本当の理由を見抜いていました。ブライアンは、帰りが遅くなるのを心配していたのではなく、教会の中で不吉な予感がしたことを気にしていたのです。

私たちは交差点で車を停めました。そして、その交差点から教会に通じる道の番号と、高速道路から交差点までの道順を書き留めました。これで明日、迷わずに教会に戻ることができます。

翌日は土曜日でした。バイトを終えた私は、三人の友達と一緒に車に乗り込み、例の教会に向かいました。でも、目的地に着いたら、そこは行き止まりになっていました。教会があるべきところには湖があったのです。

ブライアンは「道順を書き間違えたのだろう」と言いました。それから一時間ほどあたりを車で回ったのですが、教会は一向に見つかりませんでした。そこで私は「最寄りの街に行って地元の人に道順を聞こう」と提案しました。最寄りの街は8キロメートル先にありました。運転手のブライアンは疲れ、イライラしていたので、私に同意しました。

私たちはコンビニエンスストアの駐車場に車を乗り入れました。その店では老人が働いていました。私は「あの人なら教会のことを知っているに違いない」と思いました。

私たちは老人に教会と墓地の様子を説明し、それがどこにあるかを尋ねました。そうしたら老人の顔は真っ白になりました。ブライアンが話を繰り返そうとしたら、老人は彼の言葉をさえぎりました。

老人はこう言いました。「お前たちがあの教会に行けたはずがない。1932年に火事で燃え落ちたのだから。浮浪者が教会の中に入り、料理をするために火をつけたのだ。その後、州の政府が教会を湖の底に沈めた。教会と墓地があった土地は、今や15メートルの水面下にある。」

初めのうち、私は老人が別の教会に言及しているのだろうと思いました。でも、老人の妹がその墓地に埋められていたという話を聞き、その妹の名前を聞くに及んで、同じ教会であることが分かりました。前日、墓地を見学していた時、その少女の名前を見たことを覚えていたのです。その時、私は「こんな幼い子が早死にするなんて悲しすぎる」と思ったのです。

なぜ、あの日、教会が私たちの前に現れたのか、私は答えを知りません。そして、教会の中にもっと長くいたら、私たちに何が起きていたのかを想像することもできません。今日に至るまで、私は「あの時、教会をあとにして本当によかった」という感慨に浸っています。もしあの時、教会から出ていくことを思いとどまっていたら、今こうしてこの話をお伝えすることはできなかったかもしれません。

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・いやー、やはりタイムスリップものは抜群に面白いですねー。このままテレビドラマになりそう。これからも期待しています。

2015年8月29日

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