これはアメリカのミシガン州に在住の男性・ジョンさんの体験談です。


2008年の冬のことです。

ある木曜日、友達から電話がかかってきました。週末に超自然現象関係のコンベンション(大会)が開かれるので参加しないかと誘われました。週末にはこれといった用事がなかったし、コンベンションに興味を持ってもいたのですが、凍結した道路を7時間も運転しなければならないので、あまり気が進みませんでした。

にもかかわらず、それから二日後、コンベンションに向かってトラックを走らせている自分がいました。いったんミシガン州から出たら、道が空き、思い立っての旅を楽しむようになりました。

金曜日の夜遅くに目的地に到着しました。そこは大型コンベンション施設とホテルを兼ねており、たくさんの人々でにぎわっていました。私はホテルにチェックインし、荷ほどきをして、明日から始まるコンベンションに備えました。

コンベンションはホテルではなく、そこから8キロメートルほど離れた映画館で開かれることになっていました。その映画館は幽霊がよく出るというもっぱらの噂でした。

土曜日の朝、私は早起きして会場に向かいました。コンベンションが始まる前に土地感を得ておこうと思ったのです。昨夜、ホテルのロビーで会った人たちと世間話をするうちに、私に参加を呼びかけた当の友達が結局この集まりに参加しないことを知りました。

コンベンションは午前10時に始まりました。他の参加者たちと不思議体験談を語り合ううちに、私たちはまるで旧知の間柄のようになっていました。

午後5時、夕食休憩に入り、午後7時半に会議を再開することになりました。そこで私はホテルに戻り、一息つくことにしました。部屋に入った私はサンドイッチを頬張り、仮眠をとることにしました。あっという間に午後7時になり、目覚まし時計で目を覚ましました。

トラックを道に出し、会場に戻ろうとした時です。私は大きな災いに巻き込まれました。衝突事故に遭ったのです。あまりにも急なことだったので、状況を把握している暇はありませんでした。トラックは激しく回転しながら道を横切っていきました。左車線にいたスポーツカーが進行方向を変え、雪が降りしきる中、猛スピードで走り去っていきました。

私は何とかトラックを駐車場まで運転していきました。自分が怪我を負っていないかどうかを確かめてから、外に出て破損状況を点検しました。トラックはひどい状態になっていました。前面パネルがめちゃめちゃになっており、運転手席側の前タイヤは45度の角度になっていました。エンジンを切ったあと、再度エンジンをかけようとしても車は反応しませんでした。

当時、私は携帯電話を持っていなかったので、コートのボタンをかけて、会場まで歩いていくことにしました。そこから会場までは400メートルほどの距離がありました。

会場に着いた私は警察に電話をかけました。私は警察官に連れられて事故現場に戻りました。必要な情報をすべて伝えたあと、警察官に頼んでコンベンション会場まで送ってもらいました。というのも、その日はもう、それ以外にすることがなかったからです。私は会う人ごとに事故の話をして、残りの日を過ごしました。

コンベンションが終わったあと、2、3人の親切な参加者がホテルまで送ってくれました。部屋に戻った私は地元の電話帳で自動車修理工場の番号を調べました。というのも、翌日修理工場に電話するつもりだったからです。そのあと私はベッドに入りました。

翌朝目覚めた時、ホテルでの滞在を延長しなければならないことは明らかでした。その日は日曜日だったので、どの修理工場も閉まっていたのです。フロントに行って滞在延長手続きをしている時、他の参加者たちが次々にチェックアウトしていることに気づきました。午後2時までに滞在客は私を含めて6人に激減していました。ホテルはシンと静まり返り、不気味な雰囲気に包まれていました。

午後7時ごろ、食事をとるために外出することにしました。フロント係に「歩いて行ける距離内で、夜遅くまで営業しているダイナー(道路沿いにある軽食レストラン)はありませんか?」と尋ねました。折しも雪が降り始めていたのですが、人けのないホテルから出ていきたくて仕方がなかったのです。

フロント係によると、2、3のダイナーが営業しているとのことでした。そこに行く最も簡単な方法はホテルの背後にある野原を歩いていくことだ、と教えられました。フロント係はそのほかにも、ゴルフ場がどうのこうのとか、ずっと左側を歩いていくように、というようなことを言ったのですが、彼が話し終える前に、私は外に出てしまっていました。

外は予想以上に暗くなっていました。その上、雪が強く降っていました。野原を横切ったと思ったら、いつの間にか古い墓地に入っていたので、ショックを受けました。前方にゴルフ場があったのですが、雪がしんしんと降っていたので、ゴルフ場の周りを歩く代わりに、そこを横切っていくことにしました。

ゴルフ場から出たら、そこには鬱蒼(うっそう)とした森林地帯がありました。寒さが身にしみたので、「ホテルに戻ろうか」という考えがふと心をかすめたのですが、目の前に小川が流れていたので、気を取り直しました。左折して川に沿って歩き、主要道路に出ることにしました。

私はミシガン州北部の大自然の中で子供時代を過ごしたので、この「冒険」を楽しむだけの精神的な余裕がありました。ただ、寒さのために指がかじかみ始めていました。

本道に出たら、すぐそばにダイナーがありました。私は足を速めてそこに向かい、扉を押し開けました。この時ほどコーヒーの芳香をうれしく感じたことはありませんでした。

そこは脂っこい料理を出す典型的なアメリカのダイナーでした。一人の料理人と、一人のウェイトレス、そして二人の客がいました。二人は常連客のように見えました。

私はみんなに会釈してからカウンター席に座り、とりあえずコーヒーを頼んでから、食事を注文しました。

私の近くに座っていたポーラという名の女性が話しかけてきて、自己紹介したので、彼女とおしゃべりを始めました。「超自然現象関係のコンベンションに参加するためにこの街に来た」と言ったら、みんなが興味を示しました。各人が不思議体験談を語り、歓談するうちに、夜はふけていきました。

あっという間に午後10時になり、ダイナーの支配人も料理人も店を閉めたがっているようなそぶりを見せ始めたので、コートを身に着け、勘定をすませて、みんなに別れを告げました。

外は暗かったですが、そのころまでに雪はやんでいたし、月の光があたりを優しく照らしていたので、ホテルまでの帰途は快適でした。来た時と同じ道をたどってホテルに戻り、すぐ床ににつきました。

月曜日にはやるべきことが山ほどありました。修理を請け負ってくれる工場が見つかったので、トラックをそこまで牽引(けんいん)してもらいました。修理工や保険会社の人と話をして一日の大半を過ごしました。午後9時に修理工がホテルまで送ってくれました。そのころまでにホテルの滞在客は私を含めて4人になっていました。書類手続きで疲れ果てた私はベッドに倒れこみました。

火曜日も月曜日と同じくらい忙しかったです。書類手続き、電話、さらなる書類手続きに追われました。しかも、また雪が降り始めました。ホテルに戻ったら、修理工から電話があり、少なくとも水曜日の午後までに修理が完了する見込みだと教えられました。私は荷造りを始めました。

午後6時ごろ、私はまたあのダイナーに行くことにしました。もう道を分かっているので、歩行時間を半分に短縮できると踏んでいました。雪は週末よりもさらに激しさを増していたのですが、にもかかわらず前回よりも半分の時間でダイナーに到着しました。

そこには日曜日と同じ面々がいました。エヴェレットという名前の若者だけはいなかったのですが、彼もそのうちに顔を見せました。日曜日の夜、エヴェレットは口数が最も少なかったのですが、彼はダイナーにいる人々の中で最年少だったので、年上の私たちに気を使っていたのだろうと思います。

私は食べ、語り、笑って、楽しいひとときを過ごしました。店から出る前に「明日にはトラックが直るので、もうここには来れそうにありません」と言ったら、みんなから握手や抱擁を求められました。

外に出た私は、初めて迷子になる脅威を感じました。なぜなら吹雪がものすごかったからです。それに月の光もありませんでした。

それでも私は何とかホテルに帰り着くことができました。ホテルの部屋でベッドに横たわり、テレビを見ながら自宅のことを考えているうちに眠りに落ちました。

翌朝目覚めた時、トラックはすでにホテルの駐車場に停められていました。私はカバンを取り上げ、チェックアウトして、帰途につきました。


「この話のどこが不思議なんだ?」と思っているかもしれませんね。実のところ、これは私が体験したできごとの中で最も奇妙なものの一つなのです。何人かの読者はすでにお気づきかもしれませんね。ですから、あなたの推測が正しいかどうかを確認することにしましょう。

ダイナーはなかったのです。私が二夜に渡り食事をとったダイナーは存在しませんでした。

だったら、私があそこで会った人たちは誰だったのでしょう? 経営者の名前はジャックでした。ウェイトレスの名前は憶えていません。二人の客のうち、女性の名前はポーラ・マーカソン(またはマークソン)で、男性の名前はドイル・エヴェレットでした。彼らは一体どこにいるのでしょう? というか、そもそもダイナーが存在しないのですから、その人たちも存在しないのかもしれません。少なくとも、この世界では……。

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・不思議な体験ですね。雪の中でパラレルワールドに迷い込んでしまったのでしょうか。でも邪悪な雰囲気は感じられないし、命の危険もなさそうです(猛吹雪は別として)。ジョンさんはダイナー滞在中に違和感を感じていないようなので、むしろ、しばしの間楽しいひと時を過ごしたという印象を受けますが、お店のレシートとかマッチなどの物証は持ち帰らなかったのでしょうか。

みんみんさん(2015年9月11日)

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