このお話はアメリカの方の体験談です。上の写真はイメージ画像で、このお話とは直接関係がありません。
あれは1976年3月、雨が降りしきる土曜日のことでした。当時私は14歳で、サンフランシスコのベイエリアに住んでいました。両親は買い物に出かけ、私は家にいました。私のベッドの足元では愛犬が居眠りしており、私はベッドの上に横たわり雑誌を読んでいました。そのとき、ミャーという大きな鳴き声が聞こえました。見上げたら、明るい黄色の目を持った美しい黒猫が机のそばに座っていました。私が最初に思ったことは、「この猫はどうやってここに来たのだろう?」ということでした。そのとき、ドアも窓もしっかり閉じられていたからです。猫が家に忍び込む隙間はどこにもありませんでした。次に私はパニクりました。犬が猫に突進し、大変な騒ぎになると思ったからです。でも犬はぐっすりと眠っていました。それは不可解なことでした。なぜなら私の犬は視覚も聴覚も研ぎ澄まされており、いつも周囲の状況に気を配っていたからです。もし家の中に猫がいたら、狂ったように騒ぎ始めたはずです。
私はベッドから起き上がり、猫に近づきました。猫を抱き上げ、外に出そうと思ったのです。ところが猫は消えてしまいました。私は猫が階下に行ったのだと思い、数分の間、家の中を探し回りました。でも姿は見かけられず、鳴き声も聞こえませんでした。私は自分の部屋に戻り、ベッドに横たわって再び雑誌を読み始めました。そのとき猫の鳴き声がまた聞こえたのです。でも姿は見えませんでした。ミャーという鳴き声は、まず机のほうから聞こえました。次に声は鏡台に移動し、洋服ダンスからステレオの方に移っていきました。鳴き声は数分ほど続いたというのに、犬がまったく反応を示さなかったのは理解に余りました。私は起き上がり、猫の鳴き声を聞いたかどうか犬に尋ねました。でも犬は私の手をなめ、尻尾を振って、再び眠りにつくばかりでした。
数年後、愛犬が死にました。それからすぐに、誕生日のプレゼントとして友人から黒猫をもらいました。その日の前夜、友人宅の居間の真ん中に猫が座っていたのだそうです。彼は猫がどうやって家の中に入ったのか、皆目検討がつきませんでした。なぜなら、彼が住んでいたマンションではペットを飼うことが禁じられていたからです。奇妙なことに、その猫は数年前に私が見た猫と瓜二つでした。あのときの猫は忘れたくても忘れることができないほど記憶に残っていたのです。もっと奇妙なことは、もらった猫がとてもおしゃべりで、雨が降る土曜日の午後に私を訪ねてきた猫と同じような鳴き方をしたことです。私はあのときの鳴き声も決して忘れることができません。とても個性的で独特の鳴き声だったからです。二匹の猫は気味が悪いほど似通っていました。
ともかく、その猫はすばらしいペットになりました。私は10年間を彼と一緒に過ごし、お互いになくてはならない存在になりました。私はよく、二匹が同一の猫だったのだろうかという疑問を感じます。多分彼は私に挨拶するため、未来の次元からやってきたのかもしれません!
■このお話に対する読者の感想
5年前のこと、飼っていた3匹の老猫が一年の間にすべて世を去りました。そのうちの1匹だけは死後も妻の前に何度も姿を見せ、ついには私も2回その猫であったかどうかは判然としませんが、猫の幻影をはっきりと見てしまったのです。犬は人に付き、猫は家に付くとはまさにこういう現象をも指す言葉かと思ったしだいです。幽霊というよりタイムトラベルぽい感じがします。 - ドラゴンズさん