これはあるアメリカ人男性の体験談です。

湖畔の廃屋を探検していた父子が体験した不可思議なできごととは……?

10歳の時、僕は両親につれられて休暇旅行に出かけました。僕たちは湖畔のステキな小別荘に宿を取りました。

湖の向こう側に廃屋が建っていました。ある日、父はその家を探検することを決意し、僕をつれてその家に向かいました。父は裏口の扉の錠をこじ開け、中に足を踏み込みました。家の中は暗くて、かび臭く、床には新聞紙が散乱していました。

一階を見て回る間、ブンブンという低い機械音が鳴り続けていました。でも、その音がどこから鳴っているのか判断できませんでした。

しばらくしてから、僕たちは二階に上がりました。そこには長い廊下があり、その廊下に沿って四つの部屋がありました。

最初の部屋に入ったら、そこにはベッドが置いてありました。それは真鍮(しんちゅう)製のベッドだったのですが、マットレスはなく、枠組みだけでした。扉口よりもベッドの方が大きかったので、ベッドは部屋の中で組み立てられたに違いありません。それを除けば、部屋の中は空っぽで、ほかには何もありませんでした。

二番目の部屋も、三番目の部屋もがらんとしていました。最後の部屋に入ろうとした時、ガシャーンというすさまじい音が家中に響き渡りました。

父は階段の上まで走っていき、階下を見下ろしたのですが、そこには誰もいなかったし、特に変わったこともありませんでした。父は肩をすくめて僕の方に戻ってきました。

僕たちは四番目の部屋の扉を開け、中に入りました。そこには、最初の部屋と同じく、大きな真鍮製のベッドが置いてありました。

父と僕は不安げに顔を見合わせました。父は廊下を走って最初の部屋に行き、中を覗いて驚きの叫び声をもらしました。僕は廊下を走っていき、父に合流しました。部屋の中に目をやった僕は恐怖に襲われました。中はがらんどうだったのです!

父と僕は全速力で階段を駆け下り、家の外に出ました。僕たちは小別荘にたどり着くまで走り続けました。

最初の部屋にあったベッドはどのようにして四番目の部屋に移動したのでしょう? 今日に至るまで僕は答えが分かりません。父はこのできごとについて話すことを頑なに拒んでいます。あの日以来、僕たちはいかなる廃屋にも一切足を踏み入れていません。

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