

川に落ちた腕時計
昨年のことです。他界した祖父の遺灰をまくために、親族が集いました。祖父が生前架けた橋から遺灰をまくことになりました。その橋はとても高く、急流の上に架かっています。午後一時に集合することになっていたのですが、少し遅れてしまいました。それで私たちは「おじいちゃんは遅刻することが嫌いだから、不機嫌になっているかもね」と冗談を言いました。
全員がそろったところで、祖母が遺灰をまきました。その時、母の腕時計が川に落ちてしまったのです。その模様を全員が目にしました。母はすっかり気を取り乱しました。私たちは「遅れた罰としておじいちゃんが腕時計を奪ったのだろう」と冗談を言いました。
その後、私たちは車で家路につきました。家までは2時間の道のりでした。ドライブしている間、母はしきりに時計をなくしたことをぼやいていました。というのも、それは思い出の品だったからです。
私たちは無事に家に戻りました。その夜、母が就寝するためにベッドの毛布をはいだら、そこに失ったはずの腕時計がありました!
夢の中で旧友に再会
先日、気分がよくなかったので、昼寝をすることにしました。4時間ほど休んだのですが、その間に奇妙な夢を見ました。夢の中で、僕は地元の公園にいました。そこに中学時代の友達がいたのです(現在、僕は20歳です)。彼は屋外観覧席に腰かけていました。僕たちは再会を喜び合いました。夢はそこで終わりました。
2、3時間後に目覚めた僕は、フェイスブックのニュースフィードを見ることにしました。何気なく目を通していたら、例の友達の画像が目に留まったのです! 彼は夢に出てきた公園の屋外観覧席に腰かけていました。ちなみに、彼はフェイスブックをやっていません。その画像は別の友達が撮ったものだったのです。
これは奇妙な偶然の一致です。その友達と公園で一緒になった夢を見たあと、夢に出てきた公園の観覧席に腰かけている彼の画像を目にしたのですから。それに、僕はしばらくその公園を訪れていなかったので、そこに屋外観覧席があることを知りませんでした。
鍵
僕は自宅の車庫に「男の隠れ家(男性だけでくつろぐ部屋)」を作ってあります。音響システム、ダーツ、テーブル・サッカー、リキッド(液体)電子タバコなどが置いてあり、ごく普通の部屋です。また、現金を金庫の中に保管しています。その金庫には常に鍵をかけています。金庫の鍵は二つあります。一つはキーホルダーにつけています。もう一つは数年前に紛失しました。ある晩、僕はその部屋で音楽を聴いたあと、母屋に戻ることにしました。車庫の外に出た時、突然部屋から音楽が鳴りだしたので、うなじの産毛が逆立ちました。音楽はリピート再生するようになっていなかったし、CDにボーナス・トラック(隠し曲)が収録されているわけでもありません。僕は侵入者がいることを覚悟の上で、車庫の扉を開けました。侵入者はいませんでした。
僕はビビりながら部屋に足を踏み込みました。音響システムが自動的に曲を再生したのは、後にも先にもこの時だけでした。部屋の中に歩を進めていったら、金庫の鍵がスピーカーの上にあることに気づきました。以前、鍵は絶対にそこになかったし、そこに鍵を置いた覚えもありません。キーホルダーを確かめたら、そこには金庫の鍵がついていました。ということは、スピーカーの上にあるのはなくした鍵だということです。
その時、音響システムに問題があることに気づきました。サブウーファーが壊れていたのです。ひょっとしたら、三つのできごとには関連があるのかもしれません。鍵が出現した際、電圧が急激に高まり、サブウーファーが壊れて、CDが自動的に再生したのではないかと。
気を失っている間に……
これは僕が子供のころに起きたできごとです。ある日、友達が急激に立ち上がったせいで、気を失いました。
僕たちはすぐにその友達を起こしました。彼の言うことには、気を失っている間に奇妙な夢を見たというのです。わずか数秒の間に数週間を体験したと。
夢の中で、友達は大人に成長しており、結婚して子供がいたと言います。会社に出勤する途上で、僕たちに起こされたのです。
未来にテレポートした上着
これは1997年に起きたできごとです。当時、私は中学一年生でした。両親がクリスマスのプレゼントとして、ドク・マーティンの上着をプレゼントしてくれました。外側が黒で、内側がオレンジ色のものでした。万が一のために、襟づりのところに自分のイニシャルを書いておきました。
学校で随筆を書く課題を与えられたので、調査のためにみんなで図書室に行きました。おニューの上着をテーブルの上に置き、本を取ってくるために書棚に行き、戻ってきたら……上着は消えていました!
司書の女性に尋ねたら、上着を届けた人はいないとのこと。また彼女は、私の上着を持って図書室から出ていった人は見かけなかった、と言っていました。
一か月に渡り、毎日のように遺失物取扱所に行って確認したのですが、上着は戻ってきませんでした。私の両親がどんな反応を示したかは、ご想像にお任せします。
それから二年が経ち、私は中学三年生になりました。また随筆を書くことになったので、みんなで図書室に行きました。お目当ての本を取り出し、要点をノートに書きだすためにテーブルに向かって歩いていったら……二年前とまったく同じところに黒の上着が置いてありました! 内側はオレンジ色でした。襟づりを見たら……私のイニシャルが書いてありました。
当時、私は15歳で、お気に入りの上着が見つかったので、とにかくうれしかったです。
それにしても、二年前とまったく同じ場所に出現するなんて! 一分前にはなかったのに……。