

少女が砂場で遊んでいる最中にお気に入りの指輪をなくしてしまい……
これは私が小学生のころに起きたできごとです。
ある日、両親につれられて奇妙な店を訪れました。そこではネイティブ・アメリカン(アメリカの原住民)に関する商品や、風変わりな室内装飾品を販売していました。
その店のカウンターに安物の指輪が陳列されていました。それはイミテーションシルバー(人造銀)で作られた指輪で、二人の小さな妖精が真ん中の球を支えているデザインでした。両親がその指輪を買ってくれたので、私は大喜びで、どこへ行くにもそれをはめるようになりました。
ある日、私は学校の運動場で遊んでいました。ところが、砂を掘っている最中、指輪をなくしてしまったのです(それは私の指には大きすぎたので、ゆるかったのです)。一生懸命に探したのですが、見つかりませんでした。私は失意のあまり泣き出してしまいました。
歳月が流れ、私は20歳になりました。ある日、共通の友達を介して知り合った女性が指輪を見せてくれました。それはまさに私が子供のころ、なくした指輪だったのです! といっても、それは不思議なことではありません。多分それは大量生産された指輪だったのでしょう。
ところが、彼女が次に言ったことに私は驚きを禁じえませんでした。彼女は小学校の運動場の砂場でその指輪を見つけ、それ以来ずっと後生大事にそれを持っていると言うのです! ちなみに、彼女は私よりも2、3歳若く、彼女が住んでいるところと私が住んでいるところの間には約2,200キロメートルの隔たりがあります。