

これはあるブラジル人男性の体験談です。
バスに乗った青年に、周りの乗客たちが寄ってたかって……?
このできごとは1994年に起きた。当時、僕は19歳で、大学二年生だった。
10月の暑い午後、マーケティングの授業を受けてヘトヘトに疲れた僕は、いつもの道を通って大通りのバス停に向かった。大学のキャンパスから宿舎に戻るには、バスと地下鉄を乗り継がなければならない。
バスの色や、行先や、路線番号などに注意する必要はなかった。というのも、どのバスに乗っても僕が下車しなければならないバス停を通過したからだ。バスから降りると、その近くに地下鉄の駅があった。
というわけで、バス停に着いた僕は、ディスクマンを取り出し、CDをセットして、イヤホンで音楽を聴いた。この日に聴いたのは、多分「ゾンビ・ネイション」だったと思う。そうこうしているうちにバスがやってきた。
幸い空いた席があったので、そこに腰を下ろした。ディスクマンをリュックにしまい、代わりに本を取り出して読書を始めた。数ページを読み、15分ほど経ったころだろうか。隣に座っていた女性が僕をつっついたので、読書をやめ、彼女に顔を向けた。
「あなた、セテアレムに行くんじゃないんでしょ?」と彼女は尋ねた。僕は眉をひそめ、彼女の言葉を理解しようとした。サンタレムだって?
「このバスはセテアレムに行くのよ。降りた方がいいよ。」
僕は彼女に微笑みかけた。「セテアレム」という名前は明らかになったが、彼女の言ったことはまったく意味をなさなかった。周りを見回したら、全員が……バスの乗客全員が僕を凝視していた。少し離れた席に座っている女性が「ええ、お兄さん、降りなさいって」と言った。彼女の隣に座り、手提げかばんを持った青年はつっけんどんな態度で「降りろ!」と命令した。
切符の束を手にした車掌もまた僕をじっと見ていた。僕は訳がわからず、どうなっているのか聞こうと思ったのだが、それはかなわなかった。僕が口を開く前に、車掌が運転手に向かって「一人降りるよー!」と叫んだのだった。
その後すぐにバスは停まった。そこはバス停ではなかったのだが、そんなことはちっとも気にならなかった。席から素早く立ち上がり、出口に向かった。通路に立っていた人たちは少し移動して僕を通してくれた。
僕がアスファルトの道に両足を下ろしたとたん、バスは走り出した。だが、奇妙なことに、次の角で右折し、石畳の道を進んでいった。その道はどの路線にも含まれていなかった。
いくつかの考えが頭に浮かんできた。私用のバスだったのだろうか? いや、切符を集める車掌が乗っていた。僕のことを誰かと勘違いしたのだろうか? それはあり得る。
あれ以来、セテアレムという名前が僕の頭から離れたことはない。それは近くの街の名前なのだろうか? それとも都市の名前? 知人に尋ねたり、地図を調べたりしたのだが、セテアレムは見つからなかった。ブラジル国内はもちろんのこと、世界のどこにもそんな地名はなかった。
その夜、セテアレムの夢を見た。それ以来、少なくとも月に一回、僕は夢の中でこの奇妙な街を訪れている。
・どれだけ調べてもこの話はこのサイトにしか載っていない。ブラジルで起きたブラジル人の体験ならブラジルの公用語や英語で検索すれば記事がでてくるはずだが、それらの言語で検索しても全くでてこない。ブラジル人が現地で体験した事をわざわざ日本語で投稿先を探し、このサイトを見つけ、公用語のポルトガル語などで投稿しサイト運営者が翻訳したというのだろうか、そういった点でサイト運営者か日本人の創作であると判断できる。
西村さん(2018年1月17日)
・「setealem brazil」で検索すれば海外のサイトが数多くヒットしますよ
柴犬さん(2018年1月20日)
・西村さんへ。これはサイト運営者や日本人の創作ではありません。その証拠は下の動画をご覧ください。当サイトでは作り話を実話と偽って掲載するようなことは一切ありませんので、ご了承ください。 時間旅行(2018年1月17日)