高校で体育の授業が終了後、物置に入った男がいつまで経っても出てこない……
およそ一年前のこと。私は高校生で、単位を取る必要があったので、夏期講習に参加することにしました。体育の授業を受けたので、ほとんどの時間を体育館の中で過ごしました。
授業を担当した先生は一人だったのですが、三人の教育実習生が先生の補佐役を務めていました。二人は男性で、一人は女性。年齢は20台後半から30台初めぐらいかな？ 私はその三人と仲よくなり、授業の後、片づけを手伝うようになりました。
そんなわけで、おしゃべりをしながら片づけ作業を行っていた時、男性の一人が「運動用具を物置にしまってくる」と言いました。この物置は小さい部屋で、扉は一つしかありません。男性は用具を運んで物置に入り、私は残りの二人とおしゃべりを続けました。その時、私たちは体育館の内部全体を見渡せる場所に立っていました。物置の扉も視界に入っていました。
それから15分が経過したのに、男性は出てきません。私たちは「物置の中で迷子になったのでは」と冗談を言いながらも、心配になり、扉を開けてみました。しかし、彼は中にいません！
私たちは動揺し、彼の名前を呼んだのですが、返事はありませんでした。目を離したすきに出ていったのだろうと無理に理由付けしました。実のところ、それは不可能に近いことでした。物置の扉は常にしっかり目に入っていたからです。
扉を締め、二、三歩前進した時、背後の扉が大きな音とともに開けられ、男性が出てきました。その時の彼の表情は、まるで死神に会ったかのようでした。
彼の言うことには、誰かが外で扉を押さえていたので、出られなかったのだそうです。私たちが「部屋に入ったけど、いなかったよ」と言ったら、彼はずっと部屋の中にいたと！
全員が妙な気分になったので、お開きにして、体育館をそそくさと後にしました。
前述したように、彼が部屋の中で隠れるような場所はまったくありませんでした。ホウキとか、ボール、バット、ネットといった小物が入れてあるだけだったのです。
夏期講習は三週間で終わり、三人とは連絡を絶ちました。というのも、お別れする時点で連絡先を交換するような仲ではないと思ったからです。それ以降、このできごとについて話し合う機会を得ていません。
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