これはアメリカの男性、ロイドさんの体験談です。上の画像は、この話の舞台となったウィッテンバーグ山のものです。
妹と登山を楽しんでいた男性。ところが下山する段になったら行けども行けどもふもとにたどり着かない……
僕はニューヨーク州の小さな農場で生まれ育ちました。現在43歳なのですが、アウトドアをこよなく愛し、森林地帯は自分の家だと思っています。地元の野生生物のことは熟知しています。
ある日、僕は妹と連れ立って、ウィッテンバーグ山とコーネル山(注参照)にハイキングに出かけました。
注:ニューヨーク州の中部にあるなだらかな山地・キャッツキル山地に並んで立つ二つの山。ウィッテンバーグ山の標高は1,152メートル、コーネル山は1,177メートル。
2時間半かけて二つの山に登頂し、下山を始めました。登山道には要所要所に標識が立っているので迷うことはまずないのですが、念のために GPS(全地球無線測位システム)を持参しました。道中、他の登山者も見かけました。
ところが、不可解なことに、下山するのに長い時間がかかったのです。異常に長い時間が……。標識に従って何時間も歩いたのですが、道は延々と続きました。
登山に要した時間は2時間半だったのに、下山に6時間半もかかってしまいました。僕も妹も訳が分からず、当惑するばかり。まるでタイムループにハマってしまったかのようでした。
GPS や地図を確認しながら、標識に従って歩いたのに、行けども行けどもふもとにたどり着かなかったのです。「ずいぶん時間がかかるなー。一体どうなってるんだろ」と妹と話しながら歩き続けました。GPS は「あと少しで到着」と表示し続けました。
やっとのことで下界に降りた時には10時間が経過していました。僕たちはタイムウォープを体験したのでしょうか? いたずら好きな妖精にだまされたのでしょうか? GPSによると、登山時と下山時の歩行速度はほぼ同じで、あれだけ延々と歩いたのに GPS に記録された歩行距離はそれほど長くなく、計算が合いませんでした。本当に奇妙なことです。何らかの超常現象に巻き込まれたとしか思えません。
下の動画でウィッテンバーグ山とコーネル山の登山をお楽しみください。
続いて日本の三十路さんの体験談をご紹介します。
下に降りれない
小学校低学年の頃。 姉や隣近所に住む従兄弟達と、通っている小学校近くの学校の課外授業や子ども会なんかでもよく行く、丘で遊んでた。
夕方になって、そろそろ帰ろうってなって、何度も通り慣れた道を進むが、何故か、下に降りれない。同じ所を何度もグルグルと回ってるみたい。ススキ越しに、子供会でも使う土俵が見えてるのに、どうしてもそこまで行けない。だんだんと一同焦ってきてた。
ふと、ススキ越しに、キツネの耳と尻尾が見えて、ピョンと向こうへ立ち去った。その時初めてキツネを見た。すると、今までどうやっても下に降りれなかったのに、何の苦も無くいつも通りに降りれた。
あれは、キツネに騙されてた? 今でも不思議な体験。今度、従兄弟や姉に聞いてみよう。
出典:子供の頃の変な記憶 その5合わせて読みたい
山中の雑貨屋
アメリカ人男性が夜、キャッツキル山地にドライブに出かけたら……この話を読む
・叔母から聞いた祖父の話。祖父は中学の校長をしていたので、学校まで何年も同じ道を行き来していた。ある日、祖父がなかなか学校から帰ってこなくて、三時間くらい遅く帰って来たらしい。昭和10年代くらいなのでまだあぜ道や薮のようなところを通って帰ってくるらしいのだがその日はいつもの薮を行けども行けども抜けなくなったらしく、やっと抜けたときには日が暮れて遅くなっていたそうだ。祖母は帰りがてら図書館か何かに寄っていたのだろうと思っていたそうだが、祖父は正直めちゃめちゃ焦ったらしい。後で叔母とキツネに化かされたのかと話し合ったそうだ。
にゃもちゃんさん(2021年12月18日)