イギリスの空軍中将
ロバート・ヴィクター・ゴダード卿(1897〜1987)は、第二次大戦中、英国空軍で上級司令官を務めました。
彼は在職中、二度も不思議なできごとを体験しました。このページでは、そのうち一つの話をご紹介します。これは非常に有名な話で、1955年にイギリスで映画化されました。
上の画像はゴダード氏と、この話に出てくるダコタ(第二次大戦中に使われた軍用輸送機)のものです。
1946年1月、ゴダード氏は上海で開かれたパーティーに出席しました。
その席上で、彼は「ゴダード氏が亡くなった」と誰かが話しているのを耳にしました。
ゴダード氏は驚いて振り返りました。その話をしていたのは英国海軍の艦長であるジェラルド・グラッドストーンでした。
グラッドストーン氏は恐縮して、平謝りに謝り、事の次第を説明しました。彼は夢の中でゴダード氏の死を目撃したというのです。
夢の中で、ゴダード氏が操縦していた飛行機は氷におおわれ、日本の佐渡島に強行着陸しました。着陸現場は小石が敷き詰められた海辺で、近くには山がありました。飛行機には三人の民間人(二人の男性と一人の女性)が乗っていました。三人は助かりましたが、ゴダード氏は息絶えたといいます。
その夜、ゴダード氏はダコタ機で東京に飛行する予定でしたが、民間人を乗せる予定はありませんでした。
ところが、パーティーの最中、彼は上海に駐在している総領事から、「一刻も早く東京に行くよう命じられたので、自分と女性の秘書を是非とも飛行機に乗せてほしい」と頼まれたのです! 総領事の頼みとあっては、断るわけにはいきません。
その後、彼はイギリスの新聞『デイリー・テレグラフ』の記者から、「日本に行かなければならないので、飛行機に乗せてください」と懇願されました。
すべては夢の通りになってしまったのです。ゴダード氏は三人の民間人を乗せて、上海から飛び立ちました。
航行中、飛行機は氷におおわれ、佐渡島に緊急着陸することを余儀なくされました。夢のとおり、そこは小石の敷き詰められた海辺で、近くには山がありました。
しかし、夢と違っていたことがあります。それは、ゴダード氏が夢の警告を心に留め、飛行機を慎重に操縦したため、誰一人として怪我を負わなかったことです。
この話は1955年にイギリスの映画制作会社イーリング・スタジオによって映画化されました。

映画の題は『The Night My Number Came Up』。これは「ツキに恵まれた夜」というような意味です。監督はレズリー・ノーマン。マイケル・レッドグレーブが主人公を演じました。
The Night My Number Came Up [DVD]
→ゴダード氏が体験した不思議なできごと第二弾!

・この飛行機不時着事故後の佐渡島側でのお話が、今年(20013年)、「飛べ!ダコタ」と題して日本で映画化されていますよ。公式サイトうなむさん(2013年9月14日)
・明日が待ち遠しいです。お話出てこい
ぱたぱたさん(2013年4月28日)